AIM(acetic acid-indigocarmine mixture)変法が診断に有用であった微小胃癌の1例

「はじめに」今回我々は生検でも過形成性ポリープと診断され, 経過観察後にIIc病変と判明し, AIM変法による観察が腫瘍の存在, 範囲診断に有用であった微小胃癌の一例を経験したので報告する. 「症例」患者:60歳代後半, 女性. 主訴:特になし(検診目的). 現病歴:平成21年7月に胃癌検診目的に当院受診. 経鼻上部消化管内視鏡検査を施行し, 胃前庭部前壁に小ポリープ(Fig. 1)を認め, 生検で過形成性ポリープのため経過観察となった. 平成22年6月経鼻上部消化管内視鏡検査を再検し同ポリープはやや増大傾向を認め0-IIa+IIc(Color 1)様を呈し, 生検でGroup 4のため, 精...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 78; no. 2; pp. 100 - 102
Main Authors 新井理記, 小野里康博, 飯塚春尚, 萩原聡, 蘇原直人, 石原弘, 富沢直樹, 小川哲史, 伊藤秀明, 柿崎暁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本消化器内視鏡学会関東支部会 10.06.2011
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ISSN1348-9844

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Summary:「はじめに」今回我々は生検でも過形成性ポリープと診断され, 経過観察後にIIc病変と判明し, AIM変法による観察が腫瘍の存在, 範囲診断に有用であった微小胃癌の一例を経験したので報告する. 「症例」患者:60歳代後半, 女性. 主訴:特になし(検診目的). 現病歴:平成21年7月に胃癌検診目的に当院受診. 経鼻上部消化管内視鏡検査を施行し, 胃前庭部前壁に小ポリープ(Fig. 1)を認め, 生検で過形成性ポリープのため経過観察となった. 平成22年6月経鼻上部消化管内視鏡検査を再検し同ポリープはやや増大傾向を認め0-IIa+IIc(Color 1)様を呈し, 生検でGroup 4のため, 精査, 加療目的で入院した. 内視鏡所見:まずGascon(R)入り水道水にて病変とその周囲の粘液をよく洗浄後, 通常観察を行い, 前庭部前壁に隆起性病変を確認し, インジゴカルミン約5mlを鉗子口より直接散布したコントラスト法(Color 2)では, わずかに中心陥凹を伴っていた. ここでインジゴカルミンを水洗後, 1.5%酢酸10mlを鉗子口より直接散布し, 約1分間静置して, 軽く酢酸を水洗後に, 再度インジゴカルミン5mlを散布して数分間経時的に観察する. この一連の画像強調法をAIM変法と呼んでおり, 各段階においてNBI拡大観察を併用している.
ISSN:1348-9844