SARS-CoV-1およびSARS-CoV-2と甲状腺

「要旨」2019年12月に突如として出現し, 瞬く間に世界中に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の原因ウイルスは, 2002年の重症急性呼吸器症候群 (SARS) の原因ウイルスSARS-CoVに類似しており, SARS-CoV-2と名付けられた. これまでに確認されているコロナウイルスのうち, SARS-CoV-1, MERS-CoV, SARS-CoV-2の3つのウイルスは重篤な肺炎を引き起こす. SARSは1年弱で終息し, 甲状腺疾患の報告はあったものの十分なデータは集まっていないようである. 一方で, 2022年1月, 本邦ではオミクロン株の流行により第6波...

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Published in日本甲状腺学会雑誌 Vol. 13; no. 1; pp. 34 - 39
Main Authors 伊藤裕佳, 小飼貴彦, 菱沼昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本甲状腺学会 27.04.2022
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ISSN2185-3126

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Summary:「要旨」2019年12月に突如として出現し, 瞬く間に世界中に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の原因ウイルスは, 2002年の重症急性呼吸器症候群 (SARS) の原因ウイルスSARS-CoVに類似しており, SARS-CoV-2と名付けられた. これまでに確認されているコロナウイルスのうち, SARS-CoV-1, MERS-CoV, SARS-CoV-2の3つのウイルスは重篤な肺炎を引き起こす. SARSは1年弱で終息し, 甲状腺疾患の報告はあったものの十分なデータは集まっていないようである. 一方で, 2022年1月, 本邦ではオミクロン株の流行により第6波が到来し, COVID-19の終息はいまだ不明である. COVID-19患者数の増加に伴い, COVID-19に関連した甲状腺疾患の報告も増加しており, 今後その関連性が明らかにされていくだろう.
ISSN:2185-3126