日本の医学部における研究倫理教育に関する質問紙調査 : 横断的研究

「Abstract」本研究の目的は, 日本国内の医学部・医科大学で行われている研究倫理教育を把握することである. 全82医学部の研究倫理教育の授業担当者を対象に, 無記名自記式質問紙を送付した(悉皆調査). 回答者の属性, 研究倫理教育のゴールや学年ごとの具体的な教育手法, 研究倫理教育において困難に感じることなどを尋ねた. 調査は2019年3月に行われた. 82大学中23大学(回収率28.0%)から回答を得, 該当担当者がいない3大学を除く20大学の回答を分析した. 研究倫理教育のゴールとして, 明示的に被験者保護に言及していたのは14大学, 研究公正は9大学であった. 教育項目は多岐にわた...

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Published inCBEL Report Vol. 5; no. 1; pp. 22 - 34
Main Authors 中田亜希子, 中村陽一, 小林正明, 岸太一, 廣井直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 東京大学生命倫理連携研究機構 30.09.2022
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ISSN2433-8443

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Summary:「Abstract」本研究の目的は, 日本国内の医学部・医科大学で行われている研究倫理教育を把握することである. 全82医学部の研究倫理教育の授業担当者を対象に, 無記名自記式質問紙を送付した(悉皆調査). 回答者の属性, 研究倫理教育のゴールや学年ごとの具体的な教育手法, 研究倫理教育において困難に感じることなどを尋ねた. 調査は2019年3月に行われた. 82大学中23大学(回収率28.0%)から回答を得, 該当担当者がいない3大学を除く20大学の回答を分析した. 研究倫理教育のゴールとして, 明示的に被験者保護に言及していたのは14大学, 研究公正は9大学であった. 教育項目は多岐にわたり, 多くの大学が4年生までに実施していた. 講義と事例検討での授業が多かったが, e-learningを導入している大学もあった. 回答率は低かったものの, 日本の医学生に対する研究倫理教育の現状を把握することができた.
ISSN:2433-8443