底・背屈両方向のコントロールが可能な短下肢装具:KU-Half AFO Double Assist Type
【目的】 足関節周囲筋麻痺に対する装具には種々のタイプのものがあるが, われわれは, 主にKU-Half AFOを使用し良好な結果を得ており, 第21回および第22回本学会において報告した. しかし, 両側性の底・背屈筋麻痺の症例では, 下腿三頭筋の弱化のためpush offにおける推進力の低下, 安静立位時の動揺などがみられ, 従来の装具では対応が困難であった. そこで, KU-Half AFOに板バネを用い底屈補助を加え, 底・背屈両方向のcontrolが可能なdouble assist type(DA型)を試作したところ, 良好な結果が得られたので報告する. 【対象および方法】 症例は,...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 28; no. 11; pp. 948 - 949 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
01.11.1991
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 【目的】 足関節周囲筋麻痺に対する装具には種々のタイプのものがあるが, われわれは, 主にKU-Half AFOを使用し良好な結果を得ており, 第21回および第22回本学会において報告した. しかし, 両側性の底・背屈筋麻痺の症例では, 下腿三頭筋の弱化のためpush offにおける推進力の低下, 安静立位時の動揺などがみられ, 従来の装具では対応が困難であった. そこで, KU-Half AFOに板バネを用い底屈補助を加え, 底・背屈両方向のcontrolが可能なdouble assist type(DA型)を試作したところ, 良好な結果が得られたので報告する. 【対象および方法】 症例は, 多発性神経炎4例, 脊髄髄膜瘤2例, その他1例の計7例であり, 全例両側に装具を使用した. これらにおいて, 裸足, Shoe horn type AFO, KU-Half AFO, DA型装着の条件下に, 重心変動, 歩行スピード等の検討を行った. 【結果】 静止時立位での重心は, 移動距離, 面積ともDA型で最も少なく, また, 裸足に比しDA型では重心が前方へ移動し正常化する傾向がみられた. 自覚的にも, 静止時立位での安定感が得られた. 歩行スピードはDA型が最も速く, 裸足と比し18.1%増加し, ステップ長でも8.2%長くなっていた. 従来のKU-Half AFOと同様にしゃがみ動作も可能で, 和式動作上使用可能であった. しかし, 2例で板バネの破損があり, これは今後の課題である. <質疑応答> 冨田素子(京都博友会病院):足趾フリーの装具であるが, 屋内歩行では足趾底屈にどのように対応していますか. 山鹿眞紀夫:現在, 主に屋内でもshoesを使用してもらっている. 症例によって, 爪先まで伸ばしたものも試してはいる. 佐藤豊(座長):KU-Half AFOに板バネを用いていますが, バネの強さの調節はどのようにして行いますか. 何種類かのものを用意しているのでしょうか. 山鹿眞紀夫:平地歩行のほか, 坂道歩行やしゃがみ動作の反発力を参考にして強さを選択しています. |
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ISSN: | 0034-351X |