Hepatitis C抗体(HCV抗体)の臨床的意義

「はじめに」 肝炎ウイルスはBlumbergらのオーストラリア抗原の発見から, A型肝炎ウイルスとB型肝炎ウイルスらと次第に解明されて臨床的ならびに社会的に問題とされているのには, 非A非B型肝炎ウイルス疾患およびエイズ感染症となった. B型肝炎ウイルス(HBV)の予防法が可能になった現在, 問題になっているのは直径36-62nmの一本鎖RNAを持つflariウイルス科であると考えられているC型肝炎ウイルス, すなわち非A非B型肝炎ウイルス(C型肝炎, NANB-HV, HCV)とされる. HCVは感染経路から2種類あり, 輸血など血液を介して伝播する輸血後の感染とほかに経口感染による流行性H...

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Published in神奈川歯学 Vol. 25; no. 4; pp. 475 - 479
Main Authors 笹田睦美, 木村友七, 岩宮万里子, 伊東利, 菊池信弥, 生駒俊介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.03.1991
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ISSN0454-8302

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Summary:「はじめに」 肝炎ウイルスはBlumbergらのオーストラリア抗原の発見から, A型肝炎ウイルスとB型肝炎ウイルスらと次第に解明されて臨床的ならびに社会的に問題とされているのには, 非A非B型肝炎ウイルス疾患およびエイズ感染症となった. B型肝炎ウイルス(HBV)の予防法が可能になった現在, 問題になっているのは直径36-62nmの一本鎖RNAを持つflariウイルス科であると考えられているC型肝炎ウイルス, すなわち非A非B型肝炎ウイルス(C型肝炎, NANB-HV, HCV)とされる. HCVは感染経路から2種類あり, 輸血など血液を介して伝播する輸血後の感染とほかに経口感染による流行性HCVである. わが国ではウイルス性肝炎の疾患者が多いことから, 起因ウイルスの発症における発病の原因とその対策が期待される. これらの点などから口腔治療時には, 感染予防・防止のためにダブル手袋を着用しても, 鋭利な器具物類を使用しなければならない医学的な立場から使用器具類などによる穿刺の場合が多いので, HCV抗体についての検索を行った.
ISSN:0454-8302