新型コロナウイルス感染症の罹患後症状に対する東洋医学的な治療を試みた一症例 - 経絡治療による治療効果について

「要旨」新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 罹患後症状について世界的に調査研究が進められているが, まだ不明な点が多い. 現時点では罹患後症状の多くは, 時間経過とともに症状が改善することが多いとされている. 今回, 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状に対して, 東洋医学的な観点から後遺症という症状だけに着目するのではなく, 気質・体質を見極め, 症状に加え, 患者の素因も含めた弁証を立てることで症状の改善と経過に良い影響を与えられる可能性があると考えた. 経絡治療により自律神経を調節することで消化器系だけでなく, 血流の改善や精神面の安定など心身のバランスを調整することができる...

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Published in四国医療専門学校紀要 no. 5; pp. 27 - 30
Main Author 堤野孟
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 四国医療専門学校 31.03.2024
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ISSN2435-4562

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Summary:「要旨」新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 罹患後症状について世界的に調査研究が進められているが, まだ不明な点が多い. 現時点では罹患後症状の多くは, 時間経過とともに症状が改善することが多いとされている. 今回, 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状に対して, 東洋医学的な観点から後遺症という症状だけに着目するのではなく, 気質・体質を見極め, 症状に加え, 患者の素因も含めた弁証を立てることで症状の改善と経過に良い影響を与えられる可能性があると考えた. 経絡治療により自律神経を調節することで消化器系だけでなく, 血流の改善や精神面の安定など心身のバランスを調整することができるため, 後遺症の症状を改善するだけでなく日常生活の質の向上にも繋がると考えられる. 一症例ではあるが, 経絡治療による東洋医学的な治療の有益性について考察した.
ISSN:2435-4562