タブレット型端末装置 (iPad(R)) を利用した下肢幻肢痛に対する鏡療法

「要旨」下肢の幻肢痛患者に対して健常者の下肢の運動の動画をタブレット型端末装置(iPad(R))に取り込み, 患者の患側肢の上に保持して動画を再生し, その動きをイメージすることで除痛を得ている症例を報告する. 症例は33歳の女性. X-14年1月交通事故が原因で左大腿部切断. 幻肢痛に対してX-3年10月実際の鏡を用いての鏡療法を開始, X-2年7月iPad(R)を用いた鏡療法を開始した. 従来の鏡療法導入後痛みは軽減したが, 施行にあたっては大きな鏡を必要とする. 一方, iPad(R)を用いた鏡療法は時と場所を選ばず簡便に実施可能である. また, 非断端肢に運動障害があっても施行可能であ...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 22; no. 2; pp. 115 - 118
Main Authors 傳田定平, 梅香満, 大久保涼子, 西塔志乃, 小村玲子, 西巻浩伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 25.06.2015
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ISSN1340-4903

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Summary:「要旨」下肢の幻肢痛患者に対して健常者の下肢の運動の動画をタブレット型端末装置(iPad(R))に取り込み, 患者の患側肢の上に保持して動画を再生し, その動きをイメージすることで除痛を得ている症例を報告する. 症例は33歳の女性. X-14年1月交通事故が原因で左大腿部切断. 幻肢痛に対してX-3年10月実際の鏡を用いての鏡療法を開始, X-2年7月iPad(R)を用いた鏡療法を開始した. 従来の鏡療法導入後痛みは軽減したが, 施行にあたっては大きな鏡を必要とする. 一方, iPad(R)を用いた鏡療法は時と場所を選ばず簡便に実施可能である. また, 非断端肢に運動障害があっても施行可能であり有用であった. 「I はじめに」失われた四肢の痛み(幻肢痛)の治療の一つとして鏡療法がある. これは, 健側肢を鏡に映し, 鏡を覗き込むようにして失われた患側肢があたかも存在するかのようにイメージすることで, 痛みの緩和を図るものである.
ISSN:1340-4903