循環器疾患の危険因子としてのAKIとCKD ―(2)CKDのスクリーニング(診断)と経過観察指標

本日は, CKDのスクリーニングと経過観察指標について, お話し致します. 第1に, 慢性腎臓病の定義・分類と, その重要性についてです. 慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)は, 2002年アメリカ腎臓財団から発表された包括的な疾患概念であり, 1つの疾患単位を表わすものではありません. CKDは, 蛋白尿の存在, または, 蛋白尿以外の異常, つまり病理組織, 画像診断, 検尿, 血液検査での腎障害の存在, もしくは, 糸球体濾過量(glomerular filtration rate;GFR)60mL/分未満のいずれか, または, その両方が3ヵ月以上, 持...

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Published in心臓 Vol. 43; no. 6; pp. 836 - 838
Main Author 富野康日己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団 15.06.2011
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ISSN0586-4488

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Summary:本日は, CKDのスクリーニングと経過観察指標について, お話し致します. 第1に, 慢性腎臓病の定義・分類と, その重要性についてです. 慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)は, 2002年アメリカ腎臓財団から発表された包括的な疾患概念であり, 1つの疾患単位を表わすものではありません. CKDは, 蛋白尿の存在, または, 蛋白尿以外の異常, つまり病理組織, 画像診断, 検尿, 血液検査での腎障害の存在, もしくは, 糸球体濾過量(glomerular filtration rate;GFR)60mL/分未満のいずれか, または, その両方が3ヵ月以上, 持続するものと定義されています. つまり, CKDには多くの疾患が含まれます(表1). CKDは, 推算式で求められるestimated GFR(eGFR)の値により1期から5期までに分類されています(表2).
ISSN:0586-4488