食道癌気管支浸潤に対し3重にSelf-expanding Metallic Stentを挿入した1例

我々は食道癌気管支浸潤に対し3重のSpiral Z stent挿入が有効だった1例を経験した. 今回用いたステントは金属ステントだったが, チューブ型ステントに比べ気道分泌液の排泄が比較的障害されないという利点と, 隙間から腫瘍組織が内陸に増生するという欠点がある. この症例においても1回目のステント挿入後, 再狭窄をきたし, stent-in-stentの形でテーパー型Spiral Z stentの再挿入を行った. テーパー型Spiral Z stentは中枢側と末梢側の径が変えられ, 彎曲した気管から主気管支にかけての長い領域を段差をつくることなしに短時間で挿入できた. また, 吸痰目的に...

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Published in気管支学 Vol. 23; no. 1; p. 85
Main Authors 門脇麻衣子, 赤井雅也, 西尾宏之, 大迫文磨, 和形隆志, 木下一之, 宮森勇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.01.2001
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ISSN0287-2137

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Summary:我々は食道癌気管支浸潤に対し3重のSpiral Z stent挿入が有効だった1例を経験した. 今回用いたステントは金属ステントだったが, チューブ型ステントに比べ気道分泌液の排泄が比較的障害されないという利点と, 隙間から腫瘍組織が内陸に増生するという欠点がある. この症例においても1回目のステント挿入後, 再狭窄をきたし, stent-in-stentの形でテーパー型Spiral Z stentの再挿入を行った. テーパー型Spiral Z stentは中枢側と末梢側の径が変えられ, 彎曲した気管から主気管支にかけての長い領域を段差をつくることなしに短時間で挿入できた. また, 吸痰目的に対側の主気管支への追加留置も可能だった. ステント留置後, 呼吸不全は速やかに改善し, 人工呼吸器の離脱が可能となったこと, 窒息死を防ぐことができ約半年の延命効果があったことより, ステント留置は意義があったものと考えられた.
ISSN:0287-2137