右仙腸関節痛を主訴とする右結核性仙腸関節炎・流注膿瘍の1例
要旨: 20歳代女性, ベトナムからの留学生. 主訴は右臀部から大腿後面の痛み. 骨盤MRIで右仙腸関節に炎症性変化と膿瘍形成, 胸部CTで右胸腔に分画化した被包化胸水, 右肺尖部に微小結節を認めた. 関節膿瘍穿刺検体は抗酸菌塗抹陽性, 結核菌群PCR陽性であり, 胸水検査ではadenosine deaminase高値. また喀痰検査では抗酸菌塗抹陰性, 結核菌群PCR陰性であったが, 培養陽性で結核菌と同定され, 右結核性仙腸関節炎/流注膿瘍, 結核性胸膜炎, 肺結核と診断された. 抗結核薬(リファンピシン, イソニアジド, ピラジナミド, エタンブトール)で治療開始し, 膿瘍に対しては全身...
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| Published in | 結核 Vol. 97; no. 6; pp. 341 - 344 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本結核・非結核性抗酸菌症学会
15.09.2022
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| ISSN | 0022-9776 |
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| Summary: | 要旨: 20歳代女性, ベトナムからの留学生. 主訴は右臀部から大腿後面の痛み. 骨盤MRIで右仙腸関節に炎症性変化と膿瘍形成, 胸部CTで右胸腔に分画化した被包化胸水, 右肺尖部に微小結節を認めた. 関節膿瘍穿刺検体は抗酸菌塗抹陽性, 結核菌群PCR陽性であり, 胸水検査ではadenosine deaminase高値. また喀痰検査では抗酸菌塗抹陰性, 結核菌群PCR陰性であったが, 培養陽性で結核菌と同定され, 右結核性仙腸関節炎/流注膿瘍, 結核性胸膜炎, 肺結核と診断された. 抗結核薬(リファンピシン, イソニアジド, ピラジナミド, エタンブトール)で治療開始し, 膿瘍に対しては全身麻酔下で掻爬術と術後持続ドレナージを行い, 症状の改善を認めた1例を経験した. 文献的考察を加えて報告する. |
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| ISSN: | 0022-9776 |