V-A ECMOからV-VA hybrid ECMOを経由してV-V ECMOにconversionした急性呼吸窮迫症候群の一症例
「要旨」患者は既往歴に肺胞蛋白症がある50歳代前半男性. インフルエンザ後二次性肺炎により急性呼吸不全を呈しICU入室となった. 入室時, 胸部X線写真で両肺野にすりガラス陰影を認め, P/F 66の急性呼吸窮迫症候群であり, 人工呼吸器管理とした. 第2病日, P/F 138と改善傾向を認めたが, 敗血症性ショックから循環破綻を来したため, V-A ECMOを導入した. V-A ECMO導入翌日, 右橈骨動脈採血でのPaO2低下, 胸部X線写真ですりガラス陰影の増強を認め, 右内頸静脈へ送血路を追加し, V-VA ECMOへconversionした. 第5病日に循環動態は改善したが, 胸部X...
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| Published in | 体外循環技術 Vol. 48; no. 1; pp. 31 - 35 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本体外循環技術医学会
01.03.2021
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| ISSN | 0912-2664 |
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| Summary: | 「要旨」患者は既往歴に肺胞蛋白症がある50歳代前半男性. インフルエンザ後二次性肺炎により急性呼吸不全を呈しICU入室となった. 入室時, 胸部X線写真で両肺野にすりガラス陰影を認め, P/F 66の急性呼吸窮迫症候群であり, 人工呼吸器管理とした. 第2病日, P/F 138と改善傾向を認めたが, 敗血症性ショックから循環破綻を来したため, V-A ECMOを導入した. V-A ECMO導入翌日, 右橈骨動脈採血でのPaO2低下, 胸部X線写真ですりガラス陰影の増強を認め, 右内頸静脈へ送血路を追加し, V-VA ECMOへconversionした. 第5病日に循環動態は改善したが, 胸部X線写真などから呼吸補助の継続は必要と判断し, V-V ECMOへconversionした. Lung restで自己肺の改善を待ち, 第9病日からV-V ECMO weaningを開始した. weaningはECMO流量を維持し, 人工肺へのF1O2並びに送気ガス流量を漸減させ施行した. 第18病日からはECMO流量を下げ, 第19病日に3時間送気ガス流量を止め離脱テストを施行した. 循環や呼吸回数等に変化はなく, V-V ECMO離脱となった. 本症例はhybrid ECMOなど, 患者状態に合わせて必要な補助形態にECMOをconversionしたことにより, ECMOを離脱できたと考えられる. |
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| ISSN: | 0912-2664 |