大腿骨顆部冠状骨折 (Hoffa骨折) 偽関節例に対する治療経験

大腿骨顆部冠状骨折はHoffa骨折と呼ばれ, 比較的稀な骨折である. 今回Hoffa骨折後偽関節の1例を経験したので報告する. 症例は, 37歳男性. 4年前にネパールでバイクに挟まれ受傷. 現地の病院で骨折は指摘されず, 疼痛を感じながら生活していた. その後, 左膝関節痛が増悪し, 当院受診した. 左大腿骨外側顆部のHoffa骨折後偽関節, MRIで外側円板状半月断裂の合併を認めた. 関節鏡下に半月板縫合を行い, 外側傍膝蓋アプローチで展開した. 直視下に偽関節部新鮮化, 自家骨移植, 4.5mm径HCS, 1/3円plate 2枚を用いて内固定を行った. 術後6週より部分荷重を開始した....

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 4; pp. 806 - 808
Main Authors 平田健悟, 樋口健吾, 末次宏晃, 松原庸勝, 吉松弘喜, 馬渡正明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2024
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ISSN0037-1033

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Summary:大腿骨顆部冠状骨折はHoffa骨折と呼ばれ, 比較的稀な骨折である. 今回Hoffa骨折後偽関節の1例を経験したので報告する. 症例は, 37歳男性. 4年前にネパールでバイクに挟まれ受傷. 現地の病院で骨折は指摘されず, 疼痛を感じながら生活していた. その後, 左膝関節痛が増悪し, 当院受診した. 左大腿骨外側顆部のHoffa骨折後偽関節, MRIで外側円板状半月断裂の合併を認めた. 関節鏡下に半月板縫合を行い, 外側傍膝蓋アプローチで展開した. 直視下に偽関節部新鮮化, 自家骨移植, 4.5mm径HCS, 1/3円plate 2枚を用いて内固定を行った. 術後6週より部分荷重を開始した. 術後3ヶ月で全荷重歩行, ROMは0~145°が得られ, 骨癒合の進行もみられた. Hoffa骨折は解剖学的に強い剪断力が加わり, 関節内骨折であるため解剖学的整復, 強固な内固定が推奨されている. 本症例では, 比較的良好な治療成績が得られている. 観察期間が短期のため今後も慎重な観察が必要である.
ISSN:0037-1033