日本人におけるCOVID-19ワクチンBNT162b2の有効性および免疫原性
「要旨」BNT162b2は, 2021年2月14日の初回特例承認以来, 国内で最も多い3億4千万回以上の接種実績を持つ新型コロナワクチンであり, 実臨床下での有効性の検証は, 新型コロナワクチンの定期接種の重要性に関する議論の一助となることが期待される. 今回, 2021年2月14日~2024年3月31日の期間にPubMedおよび医中誌に収載された原著論文を検索し, BNT162b2の実臨床下での有効性および免疫原性を評価した. 同定された原著論文30報でのワクチン有効性のエンドポイントは, 症候性の新型コロナウイルス感染から重症化まで多岐にわたっていた. 重症化に対する有効性は, オミクロン...
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Published in | 新薬と臨牀 Vol. 73; no. 11; pp. 1187 - 1207 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
医薬情報研究所
10.11.2024
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ISSN | 0559-8672 |
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Summary: | 「要旨」BNT162b2は, 2021年2月14日の初回特例承認以来, 国内で最も多い3億4千万回以上の接種実績を持つ新型コロナワクチンであり, 実臨床下での有効性の検証は, 新型コロナワクチンの定期接種の重要性に関する議論の一助となることが期待される. 今回, 2021年2月14日~2024年3月31日の期間にPubMedおよび医中誌に収載された原著論文を検索し, BNT162b2の実臨床下での有効性および免疫原性を評価した. 同定された原著論文30報でのワクチン有効性のエンドポイントは, 症候性の新型コロナウイルス感染から重症化まで多岐にわたっていた. 重症化に対する有効性は, オミクロン株流行期前では90%を超えていた. オミクロン株流行期における有効性は相対的には低下していたものの, 追加接種に加えて, 流行株に応じたオミクロン株対応2価ワクチン接種により, 起源株対応1価ワクチン接種時よりも症候性感染に対する高い有効性が確認された. 基礎疾患などを有する集団でのワクチンの免疫原性は概ね良好であったが, 不十分な免疫応答を示唆する報告もあった. BNT162b2の実臨床下での有効性とともに, 新たな変異株の出現に対応した継続的かつ迅速なワクチン開発の重要性が確認された. |
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ISSN: | 0559-8672 |