院内ACLS講習会の取り組みとその評価について

緒言) 近年ACLS教育が普及してきており, 当院でもACLS岡山の協力を得て, 2003年3月~6月に4回の院内ACLS講習会(半日コース)を開催した. 実習参加者は, 医師21名, 看護師51名であった. 今回, 講習会の評価を行うため, 看護師へのアンケート調査を実施した. 対象と方法) 2003年7月l5~18日に勤務のあった当院看護師にアンケート用紙を配布し, その場で無記名回答してもらった. 内容は実習参加の有無, 勤続年数, ACLSに関する小テストなどで, BLSの基礎事項, G2000に沿った蘇生の手順を中心に質問した. 結果) 148名(実習参加36名, 見学24名, 未参...

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Published in蘇生 Vol. 22; no. 3; p. 220
Main Authors 角南和治, 高橋淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 10.10.2003
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ISSN0288-4348

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Summary:緒言) 近年ACLS教育が普及してきており, 当院でもACLS岡山の協力を得て, 2003年3月~6月に4回の院内ACLS講習会(半日コース)を開催した. 実習参加者は, 医師21名, 看護師51名であった. 今回, 講習会の評価を行うため, 看護師へのアンケート調査を実施した. 対象と方法) 2003年7月l5~18日に勤務のあった当院看護師にアンケート用紙を配布し, その場で無記名回答してもらった. 内容は実習参加の有無, 勤続年数, ACLSに関する小テストなどで, BLSの基礎事項, G2000に沿った蘇生の手順を中心に質問した. 結果) 148名(実習参加36名, 見学24名, 未参加88名)から回答(回収率80%)があった. 小テスト(20点満点)の平均点は, 参加群15.6±2.6, 見学群13.2±3.3, 未参加群10.1±2.6点で, 参加群で有意に高かった. 正解率で最大の差があった設問は, 換気と循環(心臓マッサージ)のあと, 次に何をすべきか選ぶ問題で, 正解率(モニター装着)は, 参加群86%, 未参加群20%であり, 未参加群で血管確保や挿管の誤答が多かった. asystoleへの対処法, 心腔内注入の可否の正解率も, 各々67%vs15%, 75%vs28%と, 参加群が有意に高かった. 勤続年数別の平均点は, 2年以下群14.0±2.4, 3~10年群11.5±3.1, 11年以上群11.5±3.9点で, これは実習参加率(各々52%, 19%, 19%)と相関していた. しかし18点以上の高得点者は, すべて3年以上で, 実習または見学参加していた. まとめ) 院内講習会開催後, 一般内科医が救急室での突然の心肺停止患者にG2000による蘇生を行い, 完全に社会復帰できた例も経験した. 今回のアンケート調査より知識面からも講習会は有用であり, 今後も粘り強く継続する必要がある.
ISSN:0288-4348