硬組織の細胞分化に関する生化学的研究 - ラット骨芽細胞に対するモノクローナル抗体の作製
「緒言」歯, 骨あるいは軟骨など, 硬組織の健全な成長発育の過程を理解するために, 各組織を形成する細胞の分化の過程を生化学的に解析することは必須の事柄であると考えられる. 近年, 培養技術の進歩やKohlerとMilsteinによるハイブリドーマ法の確立などによりモノクローナル抗体の作製と免疫組織化学への応用が広く行われるようになってきた. また, リンパ球の研究を通して, 分化抗原という概念が確立され, 特にヒトTリンパ球の分化と機能上のサブセットの研究は飛躍的に発展した. 今日では種々の組織において細胞分化のプローブとしてのモノクローナル抗体が作製されている. これらの細胞表面抗原は,...
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Published in | 神奈川歯学 Vol. 23; no. 1; pp. 40 - 55 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
神奈川歯科大学学会
30.06.1988
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ISSN | 0454-8302 |
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Summary: | 「緒言」歯, 骨あるいは軟骨など, 硬組織の健全な成長発育の過程を理解するために, 各組織を形成する細胞の分化の過程を生化学的に解析することは必須の事柄であると考えられる. 近年, 培養技術の進歩やKohlerとMilsteinによるハイブリドーマ法の確立などによりモノクローナル抗体の作製と免疫組織化学への応用が広く行われるようになってきた. また, リンパ球の研究を通して, 分化抗原という概念が確立され, 特にヒトTリンパ球の分化と機能上のサブセットの研究は飛躍的に発展した. 今日では種々の組織において細胞分化のプローブとしてのモノクローナル抗体が作製されている. これらの細胞表面抗原は, 細胞周囲の環境の情報を遺伝物質に伝える上で重要な役割を果たしていると考えられるが, その機能に関してはほとんど解明されていない. 現在, ウィルス, 細菌, さらに細胞成分や表面抗原など数多くの物質に対するモノクローナル抗体が作製されており, 血清学的あるいは組織学的な診断に広く用いられている. |
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ISSN: | 0454-8302 |