胃炎の京都分類と胃がんリスク : 特に京都スコアについて

「要旨」京都分類は内視鏡による胃炎分類であり, 組織診断と整合性を取り, Helicobacter pylori感染と胃がんリスクを評価することを目的とする. 日常診療で簡便に京都分類を活用するには, 胃がんリスクの内視鏡所見スコア (京都スコア) に採用されている所見である萎縮, 腸上皮化生, 皺襞腫大, 鳥肌, びまん性発赤, regular arrangement of collecting venulesに加え, 地図状発赤に着目するとよい. これらの所見は組織所見やH. pylori感染, 胃がんリスクと関連している. 胃がんリスクは, がんの分化型やH. pylori感染状態に基づ...

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Published in日本ヘリコバクター学会誌 Vol. 26; no. 2; pp. 125 - 131
Main Authors 豊島治, 西澤俊宏, 鈴木秀和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ヘリコバクター学会 15.01.2025
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ISSN2187-8005
2187-8005

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Summary:「要旨」京都分類は内視鏡による胃炎分類であり, 組織診断と整合性を取り, Helicobacter pylori感染と胃がんリスクを評価することを目的とする. 日常診療で簡便に京都分類を活用するには, 胃がんリスクの内視鏡所見スコア (京都スコア) に採用されている所見である萎縮, 腸上皮化生, 皺襞腫大, 鳥肌, びまん性発赤, regular arrangement of collecting venulesに加え, 地図状発赤に着目するとよい. これらの所見は組織所見やH. pylori感染, 胃がんリスクと関連している. 胃がんリスクは, がんの分化型やH. pylori感染状態に基づき判定することが大切である. 京都スコアにて胃がんリスクを評価することは, 内視鏡中に予測される胃がんの特徴を念頭に観察できる, 内視鏡後にリスクに応じてサーベイランス間隔を決められるなど, 有益である. 一方, 京都スコアの重みづけについては検証が必要である.
ISSN:2187-8005
2187-8005