COVID-19に対する重症呼吸不全患者のV-V ECMO導入準備と管理を行った一例

「要旨」新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による重症呼吸不全に対し静脈脱血-静脈送血体外式膜型人工肺(veno-venous extracorporeal membrane oxygenation:V-V ECMO)症例を経験した. 症例は69歳男性, 前医にてPCR検査陽性の判定を受けた後, 挿管人工呼吸管理を行うも酸素化保持できず, 当院へV-V ECMO導入依頼のため搬送となった. 来院時P/F52かつMurray score 3.0以上であったためECMOを導入した. 導入後, 活性化凝固時間(activated clotting time:ACT)・シバリングの抑制管理に難...

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Published in体外循環技術 Vol. 47; no. 3; pp. 263 - 268
Main Authors 森通晃, 猪島裕貴, 都竹晃文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.10.2020
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による重症呼吸不全に対し静脈脱血-静脈送血体外式膜型人工肺(veno-venous extracorporeal membrane oxygenation:V-V ECMO)症例を経験した. 症例は69歳男性, 前医にてPCR検査陽性の判定を受けた後, 挿管人工呼吸管理を行うも酸素化保持できず, 当院へV-V ECMO導入依頼のため搬送となった. 来院時P/F52かつMurray score 3.0以上であったためECMOを導入した. 導入後, 活性化凝固時間(activated clotting time:ACT)・シバリングの抑制管理に難渋した. 第12病日よりHbの低下を認め, 腹部エコー検査にて後腹膜出血を認めた. 第14病日に呼吸器設定条件を変更した後, 酸素化が得られたためECMOから離脱した. ECMO管理は依然として出血の合併症は重要な問題である. COVID-19による重症呼吸不全に対しECMO導入・管理の対策を講じておくことが望ましい.
ISSN:0912-2664