急性冠症候群に対して体外循環式心肺蘇生法を行った患者における院外心停止の有無での予後予測因子の検討

「要旨」体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation: ECMO)を要した急性冠症候群(acute coronary syndrome: ACS)は予後が悪く, 更に院外心停止(out of hospital cardiac arrest: OHCA)を来したACS症例の予後が悪いことは報告されている. しかしながら, ECMOを要したACS症例においてOHCAの有無で, それぞれの予後については不明な点も多い, そのため本研究ではECMOを要したACS症例においてOHCAの有無で各々の予後関連因子を検討した. 2008年11月から2020年12月の...

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Published in体外循環技術 Vol. 50; no. 4; pp. 434 - 438
Main Authors 森本良平, 木田博太, 岩永晃希, 仕田原智, 菊池佳峰, 砂原翔吾, 上野山充, 渡部徹也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.12.2023
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation: ECMO)を要した急性冠症候群(acute coronary syndrome: ACS)は予後が悪く, 更に院外心停止(out of hospital cardiac arrest: OHCA)を来したACS症例の予後が悪いことは報告されている. しかしながら, ECMOを要したACS症例においてOHCAの有無で, それぞれの予後については不明な点も多い, そのため本研究ではECMOを要したACS症例においてOHCAの有無で各々の予後関連因子を検討した. 2008年11月から2020年12月の期間, ACSに対してECMOを施行した連続98例(IMPELLA併用患者は除く, 年齢: 67±11歳, 男性: 83.7%)を対象に, OHCA群と非OHCA群で分類して比較した. 主要評価項目は30日死亡とし, OHCA群では, 乳酸値とバイスタンダーCPRが予後不良と独立して関連していた. 非OHCA群では, ECMO実施時のVT/VFが良好な予後と独立して関連していた. ACSに起因したECMO症例において, OHCAの有無により予後関連因子が異なることが示唆された.
ISSN:0912-2664