感染症・感染制御に関わる地域ネットワークの構築に向けて
「1. はじめに」我が国では従来, 医療施設におけるMRSAや基質拡張型β-ラクタマーゼ産生菌(ESBLs), 多剤耐性緑膿菌(MDRP), 近年ではカルバペネム耐性腸内細菌科細菌などの薬剤耐性菌による感染症が問題となっている. 基幹病院では, 感染症専門医や感染管理認定看護師, 認定臨床微生物検査技師, 抗菌化学療法認定薬剤師などによる活動により, 感染症診療ならびに感染症対策が確立されつつある. しかしながら, 医療施設によっては, 必ずしもこれらの人的ならびに物的リソースを有していない施設もあることから, 基幹病院と同様の対策を行なうことは困難であることも多い. 感染症は伝播するという特...
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| Published in | 聖マリアンナ医科大学雑誌 Vol. 46; no. 3; pp. 93 - 99 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
聖マリアンナ医科大学医学会
01.11.2018
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0387-2289 |
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| Summary: | 「1. はじめに」我が国では従来, 医療施設におけるMRSAや基質拡張型β-ラクタマーゼ産生菌(ESBLs), 多剤耐性緑膿菌(MDRP), 近年ではカルバペネム耐性腸内細菌科細菌などの薬剤耐性菌による感染症が問題となっている. 基幹病院では, 感染症専門医や感染管理認定看護師, 認定臨床微生物検査技師, 抗菌化学療法認定薬剤師などによる活動により, 感染症診療ならびに感染症対策が確立されつつある. しかしながら, 医療施設によっては, 必ずしもこれらの人的ならびに物的リソースを有していない施設もあることから, 基幹病院と同様の対策を行なうことは困難であることも多い. 感染症は伝播するという特殊性により, 基幹病院だけでなく地域全体における感染対策の充実が必要不可欠であり, 近年, 様々な地域で地域ネットワークが構築されている. 2011年6月17日に発出された厚労省医政局指導課長通知においても, 医療機関間の連携について地方自治体の役割, アウトブレイク時の対応においても更なる地域ネットワークの構築が謳われており, 2012年度から「感染対策防止加算1・2」および「感染防止対策地域連携加算」, 更に2018年からは「抗菌薬適正使用支援加算」が算定されている. |
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| ISSN: | 0387-2289 |