口腔内自覚症状についての実態調査

口腔に関する自覚症状と歯科健診受診との関連を検索する目的で, 大阪市内在住のすべての年代を対象にアンケート調査を行った. アンケート回答者14,054名(平均年齢51.8歳)のうち自覚症状のある者は76.7%で, そのうち48.7%の者が複数の症状を保有しており, 平均保有数は2.5(±1.8)であった. 自覚症状のある者のうち3割弱の者には受診意思が認められず, その理由としては, 暇がない, 待ち時間が長いなど時間的な問題が多かった. 対象者のうち歯科健診を受けたことがある者は4割強であったが, そのうちの7割は歯科医院, 病院で受けており, 市民健康展などの催しで受けた者は2割であった....

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 54; no. 5; p. 590
Main Authors 上根昌子, 上村参生, 田中秀直, 高島隆太郎, 奥忠之, 加藤信次, 樋口淳一, 神原正樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 30.10.2004
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ISSN0023-2831

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Summary:口腔に関する自覚症状と歯科健診受診との関連を検索する目的で, 大阪市内在住のすべての年代を対象にアンケート調査を行った. アンケート回答者14,054名(平均年齢51.8歳)のうち自覚症状のある者は76.7%で, そのうち48.7%の者が複数の症状を保有しており, 平均保有数は2.5(±1.8)であった. 自覚症状のある者のうち3割弱の者には受診意思が認められず, その理由としては, 暇がない, 待ち時間が長いなど時間的な問題が多かった. 対象者のうち歯科健診を受けたことがある者は4割強であったが, そのうちの7割は歯科医院, 病院で受けており, 市民健康展などの催しで受けた者は2割であった. 受診経験のない者, 歯科医院などで受診している者は, 健康展などの集団健診を敬遠する傾向がうかがえ, 今後, 歯科健診受診者を増加させるためには, 歯科医院においては時間的な問題, 集団の場においてはプライバシーの問題を改善していく必要性が示唆された.
ISSN:0023-2831