esCCO ~パルスオキシメトリー技術を用いた新たな非侵襲的心拍出量モニタリング

「はじめに」心拍出量(CO)測定は肺動脈カテーテルを用いた熱希釈法によるものが一般的であった. しかし肺動脈カテーテルは挿入時の血管損傷など重篤なリスクもあること, 肺動脈カテーテルにより得られるパラメーターの臨床での利用意義が変化したことなどもあり, 近年は呼気再呼吸法, 色素標識希釈法, エコー法などより侵襲度の低い方法でのCO測定が普及している. 中でも観血的動脈圧波形から一回拍出量(SV)を測定し, CO測定を行うパルスカウンター法による測定が広く利用されるようになった. しかし, これらいずれの方法も一般的なモニタリング装置に加えてCO測定用の機器を使用することが必要である. 本稿で...

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Published in循環制御 Vol. 40; no. 3; pp. 209 - 213
Main Author 佐藤暢一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本循環制御医学会 20.12.2019
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ISSN0389-1844

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Summary:「はじめに」心拍出量(CO)測定は肺動脈カテーテルを用いた熱希釈法によるものが一般的であった. しかし肺動脈カテーテルは挿入時の血管損傷など重篤なリスクもあること, 肺動脈カテーテルにより得られるパラメーターの臨床での利用意義が変化したことなどもあり, 近年は呼気再呼吸法, 色素標識希釈法, エコー法などより侵襲度の低い方法でのCO測定が普及している. 中でも観血的動脈圧波形から一回拍出量(SV)を測定し, CO測定を行うパルスカウンター法による測定が広く利用されるようになった. しかし, これらいずれの方法も一般的なモニタリング装置に加えてCO測定用の機器を使用することが必要である. 本稿で述べるesCCO, estimated CCOは従来のパルスカウンター法の原理と心電図とパルスオキシメータから得られる脈波伝播時間を組み合わせてCO測定を行う, 従来のモニタリングでそのままCO測定が可能となる新たな非侵襲的心拍出量測定法である.
ISSN:0389-1844