我が国の小児科医におけるRSウイルス感染症の診断・治療・予防に対する現状の認識

「要旨」小児科医のRSウイルス感染症の診断・治療・予防に対する現状の認識を把握することを目的として, 300名にwebアンケート調査を実施した. 主な小児感染症のうち, 「総合的に判断して最も重症度が高い」および「予防したい」としてRSウイルス感染症をあげた医師が最も多く(39.3%, 65.3%), 「最も頻度が高い感染症」では, 感染性胃腸炎に次いでRSウイルス感染症が2番目に多かった. 保護者や家族の負担では, 出生後数カ月以内の乳児が罹患した場合の精神的負担(81.3%)・身体的負担(80.7%), 付き添い入院時の身体的負担(76.3%)が大きいと評価した医師が多かった. 経済的負担...

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Published in新薬と臨牀 Vol. 73; no. 6; pp. 557 - 571
Main Authors 関根英輝, 小林真之, 金英珠, 森岡一朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 医薬情報研究所 10.06.2024
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ISSN0559-8672

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Summary:「要旨」小児科医のRSウイルス感染症の診断・治療・予防に対する現状の認識を把握することを目的として, 300名にwebアンケート調査を実施した. 主な小児感染症のうち, 「総合的に判断して最も重症度が高い」および「予防したい」としてRSウイルス感染症をあげた医師が最も多く(39.3%, 65.3%), 「最も頻度が高い感染症」では, 感染性胃腸炎に次いでRSウイルス感染症が2番目に多かった. 保護者や家族の負担では, 出生後数カ月以内の乳児が罹患した場合の精神的負担(81.3%)・身体的負担(80.7%), 付き添い入院時の身体的負担(76.3%)が大きいと評価した医師が多かった. 経済的負担については, 仕事を休むことによる就労への影響や労働損失が大きいと評価した医師が多かった(66.7%). 医療従事者の負担では, 夜間を含め急に患者の容体が変化・増悪することやその可能性に対する不安(61.3%), 診療に伴う精神的・心理的負担(46.3%), 感染対策に要する負担(50.3%)が大きいと評価した医師が多かった. 以上の結果からすべての小児においてRSウイルス感染症を予防できる手段が必要と考えられる.
ISSN:0559-8672