Mycobacterium avium complex症の臨床研究―原発性肺感染症における画像診断を中心とした検討

「要旨」1982年から1994年までの13年間に当院に入院した, 非定型抗酸菌症共同研究班の診断基準を満たす, Mycobacterium avium complex(MAC)症は103例であった. その内, 一次感染型MAC症は70例で, 基礎疾患を持たない高齢者女性に多くみられた. この一次感染型MAC症の画像診断における検討を以下に示した. 1)一次感染型MAC症を限局型とびまん型に分類し, 限局型はさらに肺結核類似型, 中葉舌区肺炎型, その他の肺炎型に分類した. 2)肺結核類似型は男性が多数であったが, 肺炎型とびまん型には女性が多数を占めた. 3)びまん型の胸部CTにおいて四つの特...

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Published in医療 Vol. 50; no. 9; pp. 607 - 615
Main Authors 原田泰子, 原田進, 北原義也, 加治木章, 丸山正夫, 高本正祇, 石橋凡雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立医療学会 20.09.1996
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ISSN0021-1699

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Summary:「要旨」1982年から1994年までの13年間に当院に入院した, 非定型抗酸菌症共同研究班の診断基準を満たす, Mycobacterium avium complex(MAC)症は103例であった. その内, 一次感染型MAC症は70例で, 基礎疾患を持たない高齢者女性に多くみられた. この一次感染型MAC症の画像診断における検討を以下に示した. 1)一次感染型MAC症を限局型とびまん型に分類し, 限局型はさらに肺結核類似型, 中葉舌区肺炎型, その他の肺炎型に分類した. 2)肺結核類似型は男性が多数であったが, 肺炎型とびまん型には女性が多数を占めた. 3)びまん型の胸部CTにおいて四つの特徴像がみられた. Type 1:胸膜近傍の小粒状影Type 2:胸膜肥厚を伴った小粒状影Type 3:潅流気管支の壁肥厚と拡張Type 4:肺葉, 肺区域のatelectasisを伴う嚢状気管支拡張. 気管支拡張性の変化は, 病変の進行に連れて高度となり, 全肺野に拡がるのが観察された. 中葉舌区の病巣は, 他部位に比べ最も顕著な変化がみられた.
ISSN:0021-1699