献血者におけるGBV-C RNAの陽性頻度

【目的】 B型肝炎, C型肝炎ウィルス検出検査の導入により輸血後肝炎は激減した. しかし未知のウイルスによると考えられる肝炎が少ないながら報告されている. 現在注目されているGBV-Cの検出頻度を献血者について調査した. 【材料及び方法】 献血者を対2とし, ALTのみ高価異常者(101IU/リットル以上)100例, HBVマーカー, HCV抗体陰性600例(年代別に各100例, 男女比1:1), 地域の異なる2カ所のアフェレーシスドナー378例, 合計1,078例について調査した. 血清中のGBV-C RNAは5UTRのプライマーを用いたnested PCRを行い測定した. 【結果】 全検体...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 43; no. 2; p. 296
Main Authors 吉山里美, 伊藤八重子, 水津恵子, 松尾美千栄, 藤村邦子, 伊藤圭一, 志賀淳一, 平川和也, 真弓忠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.1997
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ISSN0546-1448

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Summary:【目的】 B型肝炎, C型肝炎ウィルス検出検査の導入により輸血後肝炎は激減した. しかし未知のウイルスによると考えられる肝炎が少ないながら報告されている. 現在注目されているGBV-Cの検出頻度を献血者について調査した. 【材料及び方法】 献血者を対2とし, ALTのみ高価異常者(101IU/リットル以上)100例, HBVマーカー, HCV抗体陰性600例(年代別に各100例, 男女比1:1), 地域の異なる2カ所のアフェレーシスドナー378例, 合計1,078例について調査した. 血清中のGBV-C RNAは5UTRのプライマーを用いたnested PCRを行い測定した. 【結果】 全検体数1,078例についてのGBV-C RNA陽性は25例(2.3%)であった. その中ALTのみ高値興常者100例中では3例(3%)がGBV-C RNA陽性であった. HBVマーカー, HCV抗体陰性例600例では15例(2.5%)が陽性であったが両群間に有意差を認めなかった. この600例について年代別の陽性率を見ると1%から4%の間に分布し, 最高は30歳代の4%, 最低は10歳代の1%の頻度であった. 地境の異なる2カ所のアフェレーシスドナー378例については7例(1.9%)が陽性であった. これを地区別に見ると, S地区(果西部港町)では166例中5例(3%), Y地区(県中央部)では212例中2例(0.9%)が陽性であり地域によって差があるように考えられた. また男女別の陽性串を見ると男性681例中18例(2.6%), 女性397例中7例(1.8%)が陽性であった. ALT高値異常者100例以外のGBV-C RNA陽性者22例の献血歴からALTを見てみると変動するものは認められなかった. 【まとめ】 山口県における献血者のG8V-C RNAの陽性串は2.3%であり今までに報告されている陽性率1%より高かった. また地域により陽性率に差があると考えられた. GBV-C RNA陽性者とALTとは関連はないと考えられ, ALTは正常な例が多く変動もなかった.
ISSN:0546-1448