ムンプス難聴とムンプスワクチン

「1. ムンプス感染とムンプス」ムンプス感染は, 流行性耳下腺炎, おたふくかぜ, とも呼ばれている. ムンプスウイルスはパラミクソウイルス科に属するRNAウイルスであり, 飛沫感染を起こし, 感染力も強いが不顕性感染も30~40%あるとされている. ムンプスは学校保健法では第5類感染症に指定されており, 発症した場合には登校も制限される. 最近もムンプスの大流行があったことは記憶に新しい. これは, 予防接種率が低いために流行しやすいとされている. おたふく風邪ワクチンは1981年より任意接種で開始されたものの, その接種率は低く, 3~5年を周期にムンプスの大流行を繰り返していた. 198...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 122; no. 8; pp. 1172 - 1173
Main Author 守本倫子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.08.2019
Online AccessGet full text
ISSN0030-6622

Cover

More Information
Summary:「1. ムンプス感染とムンプス」ムンプス感染は, 流行性耳下腺炎, おたふくかぜ, とも呼ばれている. ムンプスウイルスはパラミクソウイルス科に属するRNAウイルスであり, 飛沫感染を起こし, 感染力も強いが不顕性感染も30~40%あるとされている. ムンプスは学校保健法では第5類感染症に指定されており, 発症した場合には登校も制限される. 最近もムンプスの大流行があったことは記憶に新しい. これは, 予防接種率が低いために流行しやすいとされている. おたふく風邪ワクチンは1981年より任意接種で開始されたものの, その接種率は低く, 3~5年を周期にムンプスの大流行を繰り返していた. 1989年に麻疹ワクチンの定期接種時に, 麻疹・おたふくかぜ, 風疹混合ワクチン(MMRワクチン)の選択も可能となったことから, 接種率が上昇し, 流行の程度も以前の半分ほどにまで小さくなった.
ISSN:0030-6622