当院におけるHarmony(TM) TPVを用いた経カテーテル的肺動脈弁留置術の初期成績
《Abstract》「背景」: 右室流出路再建術を施行された成人先天性心疾患患者の肺動脈弁閉鎖不全症に対して, 2023年3月より本邦でもHarmony(TM) TPVを使用した経カテーテル的肺動脈弁留置術(TPVI)が施行可能となったが, その治療成績に関して報告はまだ少ない. 「目的」: 当院におけるTPVIの初期成績を検討する. 「方法」: 2023年3月から2024年3月までに当院にてTPVIを施行した5症例の初期成績を検討した. 「結果」: 平均年齢は57.4歳で, 最高齢は80歳であった. 原疾患としてはファロー四徴症術後が3例で, 肺動脈狭窄症術後が2例であった. 5症例全例にお...
Saved in:
Published in | 心臓 Vol. 57; no. 5; pp. 467 - 475 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本心臓財団・日本循環器学会
15.05.2025
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 |
Cover
Summary: | 《Abstract》「背景」: 右室流出路再建術を施行された成人先天性心疾患患者の肺動脈弁閉鎖不全症に対して, 2023年3月より本邦でもHarmony(TM) TPVを使用した経カテーテル的肺動脈弁留置術(TPVI)が施行可能となったが, その治療成績に関して報告はまだ少ない. 「目的」: 当院におけるTPVIの初期成績を検討する. 「方法」: 2023年3月から2024年3月までに当院にてTPVIを施行した5症例の初期成績を検討した. 「結果」: 平均年齢は57.4歳で, 最高齢は80歳であった. 原疾患としてはファロー四徴症術後が3例で, 肺動脈狭窄症術後が2例であった. 5症例全例において目的とする位置へデバイスの留置に成功し, 体外へ取り出した症例はなかった. 外科手術へ移行となった症例も認めず, アクセスサイトの合併症も認めなかった. Harmony(TM) TPV留置後の弁周囲逆流は全例において制御できており, 造影上の弁周囲逆流は認めなかった. 6カ月後のフォロー検査が施行できている3例においては術後の右室容積の縮小と右室収縮能の改善を認めており, 左室においても左室容積縮小と左室収縮能改善を認めた. この3例では術後6カ月時点で臨床的イベントは認めず, 死亡例や感染性心内膜炎を発症した症例は認められなかった. 「結語」: Harmony(TM) TPV導入から1年が経過したが, 当院における初期5症例を安全に施行することができており, TPVI後の経過も良好である. |
---|---|
ISSN: | 0586-4488 |