顎関節症科の紹介

顎関節症は, 顎関節部が開口時に音がする. あるいは顎関節部や咀嚼筋部が痛い. 開口障害や下顎の運動異常が認められ, その原因として顔面, 頭部の打撲などの外傷や炎症性疾患など明確な原因疾患が認められない場合に診断される. その病態は, 顎関節や咀嚼筋の障害にあるといわれている. 平成16年9月から昭和大学歯科病院に顎関節症科が開設されたが, これは, 近年, 本疾患が増加傾向にあり, また学校歯科検診でも顎関節の診査項目が導入されたこともあり, 第3の歯科疾患と認知されたからであろう. 顎関節症の病因は様々考えられており, また多因子性であるともいわれ, 複雑である. したがって, 当科では...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in昭和歯学会雑誌 Vol. 25; no. 1; p. 40
Main Authors 古屋良一, 船登雅彦, 片岡竜太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 31.03.2005
Online AccessGet full text
ISSN0285-922X

Cover

More Information
Summary:顎関節症は, 顎関節部が開口時に音がする. あるいは顎関節部や咀嚼筋部が痛い. 開口障害や下顎の運動異常が認められ, その原因として顔面, 頭部の打撲などの外傷や炎症性疾患など明確な原因疾患が認められない場合に診断される. その病態は, 顎関節や咀嚼筋の障害にあるといわれている. 平成16年9月から昭和大学歯科病院に顎関節症科が開設されたが, これは, 近年, 本疾患が増加傾向にあり, また学校歯科検診でも顎関節の診査項目が導入されたこともあり, 第3の歯科疾患と認知されたからであろう. 顎関節症の病因は様々考えられており, また多因子性であるともいわれ, 複雑である. したがって, 当科では, 当初から専用のプロトコールや患者への質問表を作製し, 的確な診査, 診断ができるように配慮している. 本診療科は, 歯科病院3階, 補綴科診療室内の環7側の一隅に4ユニットを確保して診療を行っている. 新患は原則として, 歯科病院が開いている時間帯は, 曜日ごとに担当医を決めて, 随時受け付けている. 当初から新患は, ほぼ途切れることなく, 1日当たり, 1ないし2名が来院しており, 再来患者は増える一方である. これは, 本科ができる以前は, 関係する各科へ分散していたのが, 本科へ集中しつつあるためと考えられる. 少ないスタッフで, いかに効率よく対応していくかが, 今後の課題となろう.
ISSN:0285-922X