チタンサファイアレーザーによる黄斑障害の一例

症例:31歳の男性で, 化学実験中にチタンサファイアレーザーを左眼に受傷した. 保護眼鏡はしていなかった. 直後より中心暗点を自覚したため, 翌日近医を受診した. 受診時の矯正視力は0.8で, 眼底検査にて黄斑部に1/5乳頭径の白色凝固斑を認め, 当科を紹介された. SLOでは網膜表層に比較して深層に強い障害を認めた. 黄斑部局所ERGの振幅は僚眼に比べ約8割に減弱していた. 結論:本症例では, 狭い範囲の網膜深層を主体とする障害を起こしたと推定された. 今後もレーザー照射による眼障害の発生は増加する事が予想され, 安全対策が必要であると考えられた....

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 18; no. 3; p. 49
Main Authors 高桑英夫, 近藤峰生, 高良俊武, 伊藤逸穀, 寺崎浩子, 三宅養三, 粟屋忍, 後藤修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 28.09.1997
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ISSN0288-6200

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Summary:症例:31歳の男性で, 化学実験中にチタンサファイアレーザーを左眼に受傷した. 保護眼鏡はしていなかった. 直後より中心暗点を自覚したため, 翌日近医を受診した. 受診時の矯正視力は0.8で, 眼底検査にて黄斑部に1/5乳頭径の白色凝固斑を認め, 当科を紹介された. SLOでは網膜表層に比較して深層に強い障害を認めた. 黄斑部局所ERGの振幅は僚眼に比べ約8割に減弱していた. 結論:本症例では, 狭い範囲の網膜深層を主体とする障害を起こしたと推定された. 今後もレーザー照射による眼障害の発生は増加する事が予想され, 安全対策が必要であると考えられた.
ISSN:0288-6200