陳旧性後脛骨筋腱断裂に対し薄筋腱の移植を行い, スポーツ復帰を果たした1例について
[要旨] 25歳男性の某国代表バスケットボール選手に生じた陳旧性の右後脛骨筋腱断裂に対し薄筋腱を移植し, 代表選手として復帰した1例を経験した. 右足内側の疼痛に対し, 3年間にわたり数回のステロイド注射の既往後, 後脛骨筋腱の完全断裂が生じていた. 後脛骨筋腱の断裂は6cm以上の変性欠損を認めたため, 自家薄筋腱を移植した. 10か月後バスケットボール練習に参加し, 1年6か月時点では, 代表選手に復帰し世界大会に出場している. 「はじめに」 アスリートの後脛骨筋腱の皮下完全断裂は極めて稀である. 本件はステロイド誘発性といえる断裂形態であり, 変性欠損部が6cm以上に及んでいた. そのため...
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          | Published in | 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 24; no. 1; pp. 93 - 96 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本臨床スポーツ医学会
    
        31.01.2016
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| ISSN | 1346-4159 | 
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| Summary: | [要旨] 25歳男性の某国代表バスケットボール選手に生じた陳旧性の右後脛骨筋腱断裂に対し薄筋腱を移植し, 代表選手として復帰した1例を経験した. 右足内側の疼痛に対し, 3年間にわたり数回のステロイド注射の既往後, 後脛骨筋腱の完全断裂が生じていた. 後脛骨筋腱の断裂は6cm以上の変性欠損を認めたため, 自家薄筋腱を移植した. 10か月後バスケットボール練習に参加し, 1年6か月時点では, 代表選手に復帰し世界大会に出場している. 「はじめに」 アスリートの後脛骨筋腱の皮下完全断裂は極めて稀である. 本件はステロイド誘発性といえる断裂形態であり, 変性欠損部が6cm以上に及んでいた. そのため自家薄筋腱を移植し復帰を果たすことができたので手術方法を報告する. 「症例」 症例:25歳 男性 某国プロバスケットボール選手 身長200cm 体重103Kg 現病歴:2009年より右足内側に疼痛出現, 経過中ステロイド注射の既往が数回ある. | 
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| ISSN: | 1346-4159 |