早期消化管癌内視鏡診断の最前線

本邦の消化器内視鏡技術は, 国際的観点からも常に先駆的役割を担ってきた. 特に, narrow band imaging (NBI)など画像強調観察(image enhanced endoscopy以下IEE)を併用した拡大内視鏡の普及は, 粘膜表層の構造や血管構築像の微細な変化を捉えることを可能にし, 病変の拾い上げや, 腫瘍・非腫瘍の鑑別, 腫瘍の範囲診断の精度を飛躍的に向上した. さらに共焦点内視鏡などの顕微内視鏡技術により, 内視鏡検査中にリアルタイムに病理組織学的診断を行うことも夢ではなくなっている. しかし, 新技術の多くは従来の観察法の代替とはならず, 付加的技術である. そのた...

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Published in総合健診 Vol. 44; no. 2; p. 404
Main Author 炭山和毅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本総合健診医学会 10.03.2017
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ISSN1347-0086

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Summary:本邦の消化器内視鏡技術は, 国際的観点からも常に先駆的役割を担ってきた. 特に, narrow band imaging (NBI)など画像強調観察(image enhanced endoscopy以下IEE)を併用した拡大内視鏡の普及は, 粘膜表層の構造や血管構築像の微細な変化を捉えることを可能にし, 病変の拾い上げや, 腫瘍・非腫瘍の鑑別, 腫瘍の範囲診断の精度を飛躍的に向上した. さらに共焦点内視鏡などの顕微内視鏡技術により, 内視鏡検査中にリアルタイムに病理組織学的診断を行うことも夢ではなくなっている. しかし, 新技術の多くは従来の観察法の代替とはならず, 付加的技術である. そのため, 画像技術を十分に活用するには, 個々の技術に特化した技能を新たに習得することが前提となる.
ISSN:1347-0086