ATTR野生型心アミロイドーシス患者の長期的12誘導心電図四肢誘導R波高変化と心エコー図指標変化の関連
《Abstract》「背景」 : ATTR野生型心アミロイドーシスは, 心電図四肢誘導の低電位など様々な心電図異常や, 左室壁厚増加, 左室収縮・拡張障害などの異常心エコー図所見を示すが, 四肢誘導低電位の長期的な経時変化は明らかではない. 「方法・結果」 : ATTR野生型心アミロイドーシス7例中, 長期に心電図と心エコー図所見を観察できた5例で, 両者の経過と関連を検討した. 心電図四肢誘導は各誘導の電位が小さく, その変化を評価しにくいため, 四肢誘導R波高の総和を求め (ΣR), さらに初回心電図のΣR値を100とし, その後のΣR値の変化率 (%ΣR) を算出し心電図変化指標とした....
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Published in | 心臓 Vol. 56; no. 5; pp. 447 - 453 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本心臓財団・日本循環器学会
15.05.2024
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ISSN | 0586-4488 |
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Summary: | 《Abstract》「背景」 : ATTR野生型心アミロイドーシスは, 心電図四肢誘導の低電位など様々な心電図異常や, 左室壁厚増加, 左室収縮・拡張障害などの異常心エコー図所見を示すが, 四肢誘導低電位の長期的な経時変化は明らかではない. 「方法・結果」 : ATTR野生型心アミロイドーシス7例中, 長期に心電図と心エコー図所見を観察できた5例で, 両者の経過と関連を検討した. 心電図四肢誘導は各誘導の電位が小さく, その変化を評価しにくいため, 四肢誘導R波高の総和を求め (ΣR), さらに初回心電図のΣR値を100とし, その後のΣR値の変化率 (%ΣR) を算出し心電図変化指標とした. 心エコー図は左室心筋重量係数 (g/m2) ・左室駆出率 (%) ・僧帽弁流入血流E波高と僧帽弁輪運動速度e'の比 (E/e') の3指標を選択し, 初回値を100とし, 以後の値のそれぞれの変化率を%ΣRと同様に算出して変化指標とした. 全症例で経時的にΣR, %ΣR, %左室心筋重量係数, %E/e'は増加, %左室駆出率は低下した. %ΣRは%左室心筋重量係数 (R=-0.313, P<0.05), %E/e' (R=-0.720, P<0.001) と逆相関, %左室駆出率 (R=0.543, P<0.001) と正相関した. 「結語」 : 全例が心不全を発症し4例が死亡した. 全例で%ΣRの経時的な減少が左室壁厚増加や左室機能障害と関連したため, %ΣRは本症の進行度を反映している可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0586-4488 |