病院機能や環境整備が薬剤耐性菌分離率に及ぼす影響 - 新潟県におけるアンケート調査
「緒言」病院における清掃や消毒などの環境整備は, 病原微生物の伝播を防止するための標準予防策の一つとして重要と考えられている. 実際, 米国疾病管理予防センターは患者ケア区域における人の手がよく触れるドアノブや手すりなどの高頻度接触面の清掃や消毒の実施を推奨している. また, 日常的な清掃や消毒の不備により, 患者ベッドの周辺環境および高頻度接触面にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA : methicillin-resistant Staphylococcus aureus) が付着し, アウトブレイクを引き起こしたとの報告もある. 消毒薬を用いた環境整備のエビデンスとしては, 日本国外...
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Published in | 医薬品相互作用研究 Vol. 46; no. 3; pp. 122 - 127 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
医薬品相互作用研究会
12.12.2022
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ISSN | 0385-5015 |
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Summary: | 「緒言」病院における清掃や消毒などの環境整備は, 病原微生物の伝播を防止するための標準予防策の一つとして重要と考えられている. 実際, 米国疾病管理予防センターは患者ケア区域における人の手がよく触れるドアノブや手すりなどの高頻度接触面の清掃や消毒の実施を推奨している. また, 日常的な清掃や消毒の不備により, 患者ベッドの周辺環境および高頻度接触面にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA : methicillin-resistant Staphylococcus aureus) が付着し, アウトブレイクを引き起こしたとの報告もある. 消毒薬を用いた環境整備のエビデンスとしては, 日本国外の報告ではあるが, 病棟エリアの環境整備や共有物品のアルコールおよび四級アンモニウム塩を用いた清拭消毒がMRSA分離率を低下させるという報告や, アルコールや次亜塩素酸塩の含浸ワイプを用いた清拭がMRSAなどの薬剤耐性菌分離率を低下させるという報告がある. |
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ISSN: | 0385-5015 |