上腕骨外科頚骨折偽関節の一例

上腕骨外科頚骨折は日常よく遭遇する骨折であり, 骨粗鬆症を伴った高齢者に多い. 骨癒合が良好な部位であることから一般に保存的療法が選択されるが, 一旦偽関節になると合併する骨粗鬆症のため強固な固定を得ることが困難であり, 治療に難渋することが多い. 今回, 保存的治療後の偽関節例に対し, 人工骨及び自家骨移植を伴う骨接合術を行い良好な結果を得たので報告する. 【症例】78歳, 女性. 転倒にて受傷. 近医にて三角巾固定を受け, 初期より自動運動が行われた. 2ヵ月経過しても骨癒合が得られず, 疼痛及び可動域制限が持続したため当院紹介受診となった. 人工骨と自家骨移植を併用したTension b...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 4; p. 1237
Main Authors 砂川秀之, 金城聡, 安里潤, 金谷文則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.1997
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ISSN0037-1033

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Summary:上腕骨外科頚骨折は日常よく遭遇する骨折であり, 骨粗鬆症を伴った高齢者に多い. 骨癒合が良好な部位であることから一般に保存的療法が選択されるが, 一旦偽関節になると合併する骨粗鬆症のため強固な固定を得ることが困難であり, 治療に難渋することが多い. 今回, 保存的治療後の偽関節例に対し, 人工骨及び自家骨移植を伴う骨接合術を行い良好な結果を得たので報告する. 【症例】78歳, 女性. 転倒にて受傷. 近医にて三角巾固定を受け, 初期より自動運動が行われた. 2ヵ月経過しても骨癒合が得られず, 疼痛及び可動域制限が持続したため当院紹介受診となった. 人工骨と自家骨移植を併用したTension band wiringによる骨接合術を行い, 良好な骨癒合が得られ, 術後2ヵ月目には, 運動時痛もほぼ消失し, 洗顔, 結帯も可能となった.
ISSN:0037-1033