既存PCPSを応用したECMO運用

「要旨」 呼吸補助を目的とした体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation : ECMO), いわゆるRespiratory ECMOの重要性を再認識した本邦では, 2012年にECMOプロジェクトが発足し, 当院でも登録研修後にECMO運用方法を変更した. 導入時は既存の経皮的心肺補助(percutaneous cardiopulmonary support : PCPS)システムとして, 人工肺はBIOCUBE, 遠心ポンプはMixflow 7を使用し, カニューレ, 回路, ロケーションの変更にて対応した. また, 長期管理の遠心ポンプはROT...

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Published in体外循環技術 Vol. 42; no. 1; pp. 30 - 34
Main Authors 前中則武, 猫宮伸佳, 進藤尚樹, 高氏修平, 斎藤智誉, 牧瀬博, 高平篤法
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.03.2015
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」 呼吸補助を目的とした体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation : ECMO), いわゆるRespiratory ECMOの重要性を再認識した本邦では, 2012年にECMOプロジェクトが発足し, 当院でも登録研修後にECMO運用方法を変更した. 導入時は既存の経皮的心肺補助(percutaneous cardiopulmonary support : PCPS)システムとして, 人工肺はBIOCUBE, 遠心ポンプはMixflow 7を使用し, カニューレ, 回路, ロケーションの変更にて対応した. また, 長期管理の遠心ポンプはROTAFLOW等を使用した. 2012年12月から2014年6月までにRespiratory ECMOを12症例に施行した. 症例は低酸素群10例, 喘息群1例, 心臓術後群1例であった. 低酸素群のECMO期間は平均25.5(1~53)日と長期間を要し, 回路交換は平均2.8(0~7)回で, ECMO導入24時間後の平均流量と脱血圧は4.3(3.5~5.1)L/min, -26(-40~+5)mmHgであった. Respiratory ECMOの離脱例は7例(58%)ですべて生存退院し, 非離脱例は5例(42%)ですべて死亡した. Respiratory ECMOの特性を理解し, 既存のPCPSシステムの改良と長期型遠心ポンプの使用を行ったことが, 長期の管理を可能にしたと考えられる.
ISSN:0912-2664