視床下核出血後のヘミバリズムに対して経頭蓋直流電気刺激を試みた一例

「要旨」【目的】今回, 視床下核出血によって生じたヘミバリズムに対し, 経頭蓋直流電気刺激(以下, tDCS)を実施したので報告する. 【症例】症例は81歳男性で, 左視床下核出血を発症して右上下肢にヘミバリズムが出現した. 【方法】tDCSは, 左運動野に陰極, 右運動野に陽極を設置し, 2.0mAで20分間の刺激を2週間実施した. ヘミバリズムの評価は, 初回と2週間後のtDCS直前および直後に実施し, 三軸加速度計を四肢に設置して右上肢挙上運動, 左上肢挙上運動, 座位保持の3課題中の加速度を計測した. 【結果】初回のtDCS実施直後に課題中の加速度が低下し, 課題終了後に持続する不随意...

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Published in理学療法学 Vol. 45; no. 1; pp. 32 - 37
Main Authors 久保田雅史, 松村真裕美, 松尾英明, 庄司一希, 平馬佑有子, 嶋田誠一郎, 荒井大志, 菊田健一郎, 松峯昭彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 20.02.2018
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ISSN0289-3770

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Summary:「要旨」【目的】今回, 視床下核出血によって生じたヘミバリズムに対し, 経頭蓋直流電気刺激(以下, tDCS)を実施したので報告する. 【症例】症例は81歳男性で, 左視床下核出血を発症して右上下肢にヘミバリズムが出現した. 【方法】tDCSは, 左運動野に陰極, 右運動野に陽極を設置し, 2.0mAで20分間の刺激を2週間実施した. ヘミバリズムの評価は, 初回と2週間後のtDCS直前および直後に実施し, 三軸加速度計を四肢に設置して右上肢挙上運動, 左上肢挙上運動, 座位保持の3課題中の加速度を計測した. 【結果】初回のtDCS実施直後に課題中の加速度が低下し, 課題終了後に持続する不随意運動が早期に収束した. また,2週間継続して実施した後のヘミバリズムは, 初期と比較しどの課題でも軽減する傾向にあった. 【結論】tDCSは, 視床下核出血に伴って生じるヘミバリズムを軽減させる可能性が示唆された.
ISSN:0289-3770