我が国における肝疾患の変遷とその対策

本邦では肝疾患の大半はウイルス性であったが, 1973年にB型肝炎ウイルスが, 1989年にC型肝炎ウイルスが発見され, 感染予防は急速に進歩し, 新規感染患者は急速に減少してきた. しかし, 抗ウイルス剤による慢性肝疾患の治療法の開発には長期間を要し, その間に, 多くのC型慢性肝疾患が進展・高齢化し, 肝発がんリスクの高まった症例の治療が急務となっている. 一方, 1990年代の後半から, 肥満などの生活習慣病を伴う非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)が急増し, 肝硬変への進展や肝発がんが見られ, 病態解明・治療法の確立が急がれている....

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Published in川崎医学会誌 Vol. 37; no. 3; p. 146
Main Author 山田剛太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 01.11.2011
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ISSN0386-5924

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Summary:本邦では肝疾患の大半はウイルス性であったが, 1973年にB型肝炎ウイルスが, 1989年にC型肝炎ウイルスが発見され, 感染予防は急速に進歩し, 新規感染患者は急速に減少してきた. しかし, 抗ウイルス剤による慢性肝疾患の治療法の開発には長期間を要し, その間に, 多くのC型慢性肝疾患が進展・高齢化し, 肝発がんリスクの高まった症例の治療が急務となっている. 一方, 1990年代の後半から, 肥満などの生活習慣病を伴う非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)が急増し, 肝硬変への進展や肝発がんが見られ, 病態解明・治療法の確立が急がれている.
ISSN:0386-5924