白金ナノコロイドが1ステップボンディング材と健全・脱灰象牙質せん断接着強さに及ぼす影響
コンポジットレジン修復における脱灰象牙質への十分な接着強さの獲得を目指して, 白金ナノコロイドを1ステップタイプのボンディングシステムの前処理材として用いた時の至適条件を, 白金ナノコロイドの濃度と塗布時間を細分化することで検討し, 健全および脱灰象牙質のせん断接着強さの測定を行った. その結果, 健全象牙質, 脱灰象牙質ともに1%に希釈した白金ナノコロイドとリン酸を混和してリン酸濃度を35%にしたものを1秒間塗布し水洗した条件がいずれも高い接着強さを示した. また, 破断面形態の観察においては上記の1%希釈・1秒間塗布条件が特に脱灰象牙質において他条件と比較し象牙質凝集破壊を多く認めた. こ...
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| Published in | 日本再生歯科医学会誌 Vol. 20; no. 1; pp. 1 - 8 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本再生歯科医学会
30.03.2022
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| ISSN | 1348-9615 |
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| Summary: | コンポジットレジン修復における脱灰象牙質への十分な接着強さの獲得を目指して, 白金ナノコロイドを1ステップタイプのボンディングシステムの前処理材として用いた時の至適条件を, 白金ナノコロイドの濃度と塗布時間を細分化することで検討し, 健全および脱灰象牙質のせん断接着強さの測定を行った. その結果, 健全象牙質, 脱灰象牙質ともに1%に希釈した白金ナノコロイドとリン酸を混和してリン酸濃度を35%にしたものを1秒間塗布し水洗した条件がいずれも高い接着強さを示した. また, 破断面形態の観察においては上記の1%希釈・1秒間塗布条件が特に脱灰象牙質において他条件と比較し象牙質凝集破壊を多く認めた. これらの結果より白金ナノコロイドがコンポジットレジン修復における健全・脱灰象牙質の接着強さの向上に効果的であることが示唆された. 今後は詳細な形態学的評価と, 長期的な接着強さについて更なる検討を行う予定である. |
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| ISSN: | 1348-9615 |