甲状腺癌の「過剰診断」に対する病理学的対応

「要旨」病理医にとって, 「過剰診断」は誤診の一つであり, 良性病変を誤って悪性病変と判断することを意味するが, ここでは, 疫学的に使用されている「過剰診断」に対する病理学的対応について述べる. 「過剰診断」の抑制には, 発見の抑制, 診断の抑制, 治療の抑制の3つがあり, 病理学的な対応としては診断の抑制が相当する. 具体的には, 境界悪性群の採用, 細胞診報告様式の変更, 穿刺材料を用いた遺伝子検査の導入である....

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Published in日本甲状腺学会雑誌 Vol. 13; no. 1; pp. 11 - 17
Main Authors 廣川満良, 鈴木彩菜, 林俊哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本甲状腺学会 27.04.2022
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ISSN2185-3126

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Summary:「要旨」病理医にとって, 「過剰診断」は誤診の一つであり, 良性病変を誤って悪性病変と判断することを意味するが, ここでは, 疫学的に使用されている「過剰診断」に対する病理学的対応について述べる. 「過剰診断」の抑制には, 発見の抑制, 診断の抑制, 治療の抑制の3つがあり, 病理学的な対応としては診断の抑制が相当する. 具体的には, 境界悪性群の採用, 細胞診報告様式の変更, 穿刺材料を用いた遺伝子検査の導入である.
ISSN:2185-3126