妊娠糖尿病と診断された妊婦に対する産科外来における看護支援

「要旨」【目的】外来通院中の妊娠糖尿病妊婦に必要な看護支援を明らかにする. 【方法】文献検討より明らかとなった看護支援の方向性に基づく支援を妊娠糖尿病と診断された妊婦5名に提供し, 看護支援の内容と妊婦の反応をデータとして質的に分析した. 【結果】妊娠糖尿病妊婦に提供した看護支援は, 【妊娠糖尿病と血糖コントロール方法に関する理解を確認し, 必要な知識を提供する】【血糖コントロールが上手くいかない状況や行動を否定せずに聴く】【実施している効果的な血糖コントロール方法を保証する】【妊婦の行動と血糖値の関係における気付きを促す】【血糖コントロールが上手くできる方法を妊婦とともに考え, 具体的な方法...

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Published in兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 Vol. 29; pp. 11 - 24
Main Author 川村麻由香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所 01.03.2022
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ISSN1881-6592

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Summary:「要旨」【目的】外来通院中の妊娠糖尿病妊婦に必要な看護支援を明らかにする. 【方法】文献検討より明らかとなった看護支援の方向性に基づく支援を妊娠糖尿病と診断された妊婦5名に提供し, 看護支援の内容と妊婦の反応をデータとして質的に分析した. 【結果】妊娠糖尿病妊婦に提供した看護支援は, 【妊娠糖尿病と血糖コントロール方法に関する理解を確認し, 必要な知識を提供する】【血糖コントロールが上手くいかない状況や行動を否定せずに聴く】【実施している効果的な血糖コントロール方法を保証する】【妊婦の行動と血糖値の関係における気付きを促す】【血糖コントロールが上手くできる方法を妊婦とともに考え, 具体的な方法を見つける】【血糖コントロールの実施を妨げるマイナートラブルを軽減するために実施可能な方法を提案する】【胎児の状態に対する理解を確認し, 発育状況・健康状態を説明する】【血糖コントロールのために実施していた行動を止める必要性を説明する】【出産の希望を叶えるために子宮収縮促進の方法を説明する】【出産後の授乳方法を検討するための情報を提供する】である. これらの看護支援を受けた妊婦は, 妊娠糖尿病について理解し, 意欲的に血糖コントロールに取り組む, 効果的な血糖コントロール方法の実施を継続するといった反応がみられた. さらに, 看護支援を受けた妊婦は, 児の発育が正常であること, 児が元気であることがわかり, 安心感を得ていた. 【結論】本研究で明らかとなった10の看護支援を提供することで, GDM妊婦は, 血糖コントロールを実施する中で感じる難しさや胎児に関する不安を表出・軽減することができた. さらに, 個々の状況に応じた血糖コントロール方法を見出すことも可能であった. 従って, 本研究で明らかにした看護支援は, 妊娠糖尿病妊婦に必要な看護支援であると考えられる.
ISSN:1881-6592