網羅的遺伝子解析が担う歯周病研究の未来-歯根膜特異的分子PLAP-1遺伝子多型が歯根膜機能に及ぼす影響
「はじめに」1984年初版刊行の「歯周病の科学」(原著名Host-Parasite Interactions in Periodontal Diseases)では, 寄生体:歯周病原性細菌と宿主:免疫担当細胞との相互作用の観点から, 歯周炎の発症や組織破壊のメカニズムが論じられている. その後の細菌学, 免疫学のめざましい発展により, 今日では, 歯周病原性細菌の病原性の分子・遺伝子レベルでの解明, Toll-like受容体の発見に至る自然免疫の関与など, 様々な知見が明らかとなり, 歯周病におけるimmunopathogenesisの詳細が解明されつつある. 一方, 咀嚼機能の維持には, 健...
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          | Published in | 日本歯周病学会会誌 Vol. 54; no. 3; pp. 252 - 256 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本歯周病学会
    
        03.09.2012
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| ISSN | 0385-0110 | 
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| Summary: | 「はじめに」1984年初版刊行の「歯周病の科学」(原著名Host-Parasite Interactions in Periodontal Diseases)では, 寄生体:歯周病原性細菌と宿主:免疫担当細胞との相互作用の観点から, 歯周炎の発症や組織破壊のメカニズムが論じられている. その後の細菌学, 免疫学のめざましい発展により, 今日では, 歯周病原性細菌の病原性の分子・遺伝子レベルでの解明, Toll-like受容体の発見に至る自然免疫の関与など, 様々な知見が明らかとなり, 歯周病におけるimmunopathogenesisの詳細が解明されつつある. 一方, 咀嚼機能の維持には, 健康な歯周組織の恒常性維持が必要不可欠である. 近年の研究から歯周組織の中でも歯根膜は石灰化関連分子やサイトカインを自ら産生することにより歯周組織の再生を担うこと1), また, 歯周組織の再生を可能とする未分化間葉系幹細胞のリザーバーとなっていることなどが明かとなり2,3), 歯根膜は歯周組織の恒常性維持および歯周病によって破壊された歯周組織の修復・再生に中心的な役割を果たしていると考えられる. | 
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| ISSN: | 0385-0110 |