「左右冠攣縮を交互に繰り返し起こしたPrinzmetal型異型狭心症の1例」服藤論文に関するcomment

この論文の著者は異型狭心症患者の冠攣縮が右, 左冠動脈の両方に交互に生じ(シーソー現象), しかもそれが6回にも及んだまれなケースを紹介, その発症原因と, 意義について論じたものである. 冠攣縮は異型狭心症の発症にかかわるのみでなく, 心筋梗塞, そして突然死の重要な原因ともなるため安易に考えるべきではない. 特に, 突然死発症は多枝に生じるものは一枝のものより数倍危険率が高いことが全国調査によるまとめで報告されている1). この症例も多枝スパズムで, 著者もシーソー現象の危険性について論じている. 冠攣縮は動脈硬化層に好発する. また自然寛解する場合もあり, 5年で40%近くはカルシウム拮...

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Published in心臓 Vol. 34; no. 7; pp. 561 - 563
Main Author 野原隆司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 丸善 15.07.2002
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ISSN0586-4488

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Summary:この論文の著者は異型狭心症患者の冠攣縮が右, 左冠動脈の両方に交互に生じ(シーソー現象), しかもそれが6回にも及んだまれなケースを紹介, その発症原因と, 意義について論じたものである. 冠攣縮は異型狭心症の発症にかかわるのみでなく, 心筋梗塞, そして突然死の重要な原因ともなるため安易に考えるべきではない. 特に, 突然死発症は多枝に生じるものは一枝のものより数倍危険率が高いことが全国調査によるまとめで報告されている1). この症例も多枝スパズムで, 著者もシーソー現象の危険性について論じている. 冠攣縮は動脈硬化層に好発する. また自然寛解する場合もあり, 5年で40%近くはカルシウム拮抗薬治療を中止できる.
ISSN:0586-4488