長管骨転移性骨腫瘍に対する骨接合術(セメント併用)の経験
「はじめに」悪性腫瘍の骨転移や病的骨折による著しい疼痛を有する症例や, 病的骨折および今後骨折を起こす可能性の高い症例に対し, 近年積極的に外科的治療が行われるようになった. 今回当科にて転移性骨腫瘍に対し骨セメントを用いた再建的骨接合術を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 対象及び方法 対象は1994年から1997年の4年間に当科で再建的骨接合術を施行した長管骨の転移性骨腫瘍4例で男3例, 女1例, 年齢56から80歳平均年齢66歳であった. 経過観察期間は2ケ月から13ケ月, 平均5ケ月で, 部位は大腿骨2例, 脛骨1例, 上腕骨1例で原発巣は腎癌2例, 膀胱癌1例, 悪性神...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 47; no. 2; pp. 532 - 536 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.1998
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」悪性腫瘍の骨転移や病的骨折による著しい疼痛を有する症例や, 病的骨折および今後骨折を起こす可能性の高い症例に対し, 近年積極的に外科的治療が行われるようになった. 今回当科にて転移性骨腫瘍に対し骨セメントを用いた再建的骨接合術を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 対象及び方法 対象は1994年から1997年の4年間に当科で再建的骨接合術を施行した長管骨の転移性骨腫瘍4例で男3例, 女1例, 年齢56から80歳平均年齢66歳であった. 経過観察期間は2ケ月から13ケ月, 平均5ケ月で, 部位は大腿骨2例, 脛骨1例, 上腕骨1例で原発巣は腎癌2例, 膀胱癌1例, 悪性神経鞘腫1例であった. 手術は転移巣を可及的に掻爬後, インプラントにて内固定し, 骨欠損部に対しセメントで補強する方法で再建的骨接合術を施行した. インプラントとしては, 脛骨転移例に対しては髄内釘, 大腿骨転移例に対してはCHS, プレート, スクリューを用い, 上腕骨転移例には, 螺子ピン, プレートを用いた. これらの症例に対し, 症状発現前の生活状態及び術後の生活状態を比較することにより手術療法によるQOLの改善度を検討した. |
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ISSN: | 0037-1033 |