脳卒中, 虚血性心疾患, 認知症から自らを守る - 久山町研究からのメッセージ

「■はじめに」死亡統計では, 1950年代のわが国の脳血管疾患 (脳卒中) による死亡率は世界で最も高いレベルにあり, そのなかで脳出血死の割合が全脳卒中死の9割以上を占めていた. 当時この点に関して, 海外の疫学研究者から, 日本の医師は脳卒中, とくに脳出血を過剰診断しているのではないかという疑義が出されていた. そこでこの問題を明らかにすべく, 1961年に福岡県久山町において脳卒中の実態調査として始まったのが久山町研究である. その後, この研究は脳卒中のみならず虚血性心疾患, がん, さらには高齢者認知症などさまざまな生活習慣病の予防研究として発展を遂げて今日に至っている. 本講演で...

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Published in理学療法福岡 no. 37; pp. 26 - 32
Main Author 清原裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 福岡県理学療法士会 31.03.2024
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ISSN1342-1433

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Summary:「■はじめに」死亡統計では, 1950年代のわが国の脳血管疾患 (脳卒中) による死亡率は世界で最も高いレベルにあり, そのなかで脳出血死の割合が全脳卒中死の9割以上を占めていた. 当時この点に関して, 海外の疫学研究者から, 日本の医師は脳卒中, とくに脳出血を過剰診断しているのではないかという疑義が出されていた. そこでこの問題を明らかにすべく, 1961年に福岡県久山町において脳卒中の実態調査として始まったのが久山町研究である. その後, この研究は脳卒中のみならず虚血性心疾患, がん, さらには高齢者認知症などさまざまな生活習慣病の予防研究として発展を遂げて今日に至っている. 本講演では, 久山町研究の数多くの研究成果の中で脳卒中, 虚血性心疾患, 高齢者認知症の予防に関する知見ついて報告する.
ISSN:1342-1433