骨形成性エプーリスのエックス線所見について

「はじめに」エプーリスは歯肉部に生じた良性の限局性腫瘤に対する総括的な臨床診断名であり, 病理組織学的診断名としてもしばしば用いられている. エプーリスは種々の分類が成されているが, その本態は, 炎症性あるいは反応性増殖物がほとんどであり, 真の腫瘍は少ないと言われている. 比較的頻度の高い疾患ではあるが, 腫瘤の内部に硬組織の形成を特徴とする骨形成性エプーリスは発生頻度が少なく, そのため骨形成性エプーリスのエックス線学的な特徴はほとんどあきらかにされていない. 今回われわれは, 骨形成性エプーリスと診断された6例について, エックス線所見を中心に検討を加えたので, その特徴を報告する....

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Published in神奈川歯学 Vol. 27; no. 1; pp. 115 - 119
Main Authors 神部芳則, 生田裕之, 河原絵美子, 生田明敏, 鈴木英哲, 鹿島勇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.06.1992
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ISSN0454-8302

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Summary:「はじめに」エプーリスは歯肉部に生じた良性の限局性腫瘤に対する総括的な臨床診断名であり, 病理組織学的診断名としてもしばしば用いられている. エプーリスは種々の分類が成されているが, その本態は, 炎症性あるいは反応性増殖物がほとんどであり, 真の腫瘍は少ないと言われている. 比較的頻度の高い疾患ではあるが, 腫瘤の内部に硬組織の形成を特徴とする骨形成性エプーリスは発生頻度が少なく, そのため骨形成性エプーリスのエックス線学的な特徴はほとんどあきらかにされていない. 今回われわれは, 骨形成性エプーリスと診断された6例について, エックス線所見を中心に検討を加えたので, その特徴を報告する. 「対象症例」研究対象として, 骨形成性エプーリスと確定診断された6例の初診時のエックス線写真を用いた. 症例の内訳は表1に示すように, 男性2例, 女性4例で, 平均年齢は48.5歳であった.
ISSN:0454-8302