ヒラメ筋を支配する運動ニューロンは高血糖に脆弱性をもつ
「要旨」: 1型糖尿病モデルラットを用い, 主に速筋で構成される内側腓腹筋と主に遅筋で構成されるヒラメ筋を対象に, それらを支配する運動ニューロンの持続的高血糖状態での形態変化を比較検討した. 運動ニューロンを逆行性標識し解析した結果, 内側腓腹筋を支配する運動ニューロンでは細胞体断面積, 細胞体数共に有意な減少は観察されなかったのに対し, ヒラメ筋を支配する運動ニューロンでは, 糖尿病群で細胞体数の減少が観察された. この結果から, ヒラメ筋(遅筋)を支配する運動ニューロンは, 内側腓腹筋(速筋)を支配する運動ニューロンに比べ, 高血糖に対してより強い脆弱性をもつことが示唆された. 「緒言」...
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Published in | 運動障害 Vol. 26; no. 2; pp. 99 - 102 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本運動障害研究会
15.12.2016
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ISSN | 0917-5601 |
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Summary: | 「要旨」: 1型糖尿病モデルラットを用い, 主に速筋で構成される内側腓腹筋と主に遅筋で構成されるヒラメ筋を対象に, それらを支配する運動ニューロンの持続的高血糖状態での形態変化を比較検討した. 運動ニューロンを逆行性標識し解析した結果, 内側腓腹筋を支配する運動ニューロンでは細胞体断面積, 細胞体数共に有意な減少は観察されなかったのに対し, ヒラメ筋を支配する運動ニューロンでは, 糖尿病群で細胞体数の減少が観察された. この結果から, ヒラメ筋(遅筋)を支配する運動ニューロンは, 内側腓腹筋(速筋)を支配する運動ニューロンに比べ, 高血糖に対してより強い脆弱性をもつことが示唆された. 「緒言」近年, 我々は糖尿病動物の内側腓腹筋(MG)を支配する運動ニューロン(以下, MNs)が減少することを報告したが, MGの96%は速筋から構成されるため, 解析対象となったMNsがF型の運動単位を構成する相動性MNsに偏っているという問題があった. |
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ISSN: | 0917-5601 |