失神に対してVVIペーシングが対照的な効果を示した房室ブロックを伴う年少アスリート2例の長期間観察
「Abstract」症例1は13歳女性. 器質的疾患は認めない. 高強度の運動トレーニング(バドミントン)を継続していた. 嘔吐を伴い度々失神し, てんかん疑いとされていたが, 失神時に20秒以上の発作性房室ブロックを認めた. ヘッドアップチルト試験は陰性. VVIペースメーカを植込みした結果, 失神を起こさなくなった. 症例2は13歳女性. 器質的疾患は認めない. 高強度の運動トレーニング(バスケットボール)を継続していた. 失神を生じて救急搬送され, 心電図はIII度房室ブロックを示した. 日中の覚醒中, 起立試験中, 運動負荷直後もIII度房室ブロックは遷延し, VVIペースメーカが植込...
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Published in | 心臓 Vol. 56; no. 6; pp. 596 - 602 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本心臓財団・日本循環器学会
15.06.2024
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ISSN | 0586-4488 |
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Summary: | 「Abstract」症例1は13歳女性. 器質的疾患は認めない. 高強度の運動トレーニング(バドミントン)を継続していた. 嘔吐を伴い度々失神し, てんかん疑いとされていたが, 失神時に20秒以上の発作性房室ブロックを認めた. ヘッドアップチルト試験は陰性. VVIペースメーカを植込みした結果, 失神を起こさなくなった. 症例2は13歳女性. 器質的疾患は認めない. 高強度の運動トレーニング(バスケットボール)を継続していた. 失神を生じて救急搬送され, 心電図はIII度房室ブロックを示した. 日中の覚醒中, 起立試験中, 運動負荷直後もIII度房室ブロックは遷延し, VVIペースメーカが植込みされた. しかし, その後もトレーニング前後に失神した. ペースメーカ植込み部位に疼痛を生じるようになりペースメーカは抜去した. 生活指導, 運動トレーニング法の指導によって失神を起こさなくなった. 両者ともに高校卒業後自発的に競技スポーツを引退した結果, 徐脈の改善を認め, 失神の再発もない. 失神に対してVVIペーシングが対照的な効果を示した房室ブロックを伴う年少アスリート2例の長期間観察の結果を報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 |