血管柄付き腓骨移植術の小経験
「はじめに」血管柄付き腓骨移植術は腫瘍切除後骨欠損, 外傷や骨髄炎治療後の骨欠損, 先天性偽関節, 大腿骨頭壊死等に利用されているが, 我々は腫瘍切除後の3例と大腿骨頭壊死の1例に対し血管柄付き腓骨移植術を施行し良好な成績を得たので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 症例 症例1:25歳, 男性. 右橈骨遠位端骨巨細胞腫. 誘因なく持続する右手関節部痛を訴え当科受診. 画像検査にて右橈骨遠位端に3×2cmの辺縁明瞭で内部均一な腫瘍を認めた. 腫瘍は方形回内筋の一部を付けたまま一塊とし切除したが伸筋腱, 屈筋腱はすべて温存できた. 血管柄付き腓骨を第2, 3中手骨の近位及び橈骨遠位に骨接合し...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 1; pp. 235 - 237 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.2000
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」血管柄付き腓骨移植術は腫瘍切除後骨欠損, 外傷や骨髄炎治療後の骨欠損, 先天性偽関節, 大腿骨頭壊死等に利用されているが, 我々は腫瘍切除後の3例と大腿骨頭壊死の1例に対し血管柄付き腓骨移植術を施行し良好な成績を得たので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 症例 症例1:25歳, 男性. 右橈骨遠位端骨巨細胞腫. 誘因なく持続する右手関節部痛を訴え当科受診. 画像検査にて右橈骨遠位端に3×2cmの辺縁明瞭で内部均一な腫瘍を認めた. 腫瘍は方形回内筋の一部を付けたまま一塊とし切除したが伸筋腱, 屈筋腱はすべて温存できた. 血管柄付き腓骨を第2, 3中手骨の近位及び橈骨遠位に骨接合し手関節固定術を行った. 術後2ケ月より仮骨の形成を認めた. 術後3ケ月より設計士として職場復帰をし, 現在術後1年8ケ月経過しているが手指の屈曲伸展および前腕の回内外(回内80°回外70°)は可能である. 症例2:24歳, 女性. 左腸骨骨肉腫. 全身性エリテマトーデスにて当院内科フォロー中, 骨盤腫瘍を指摘され当科を受診した. |
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ISSN: | 0037-1033 |