原発性免疫不全症患者から学んだこと

原発性免疫不全症候群とは, 自然免疫系(好中球, 単球, NK細胞など), 獲得免疫系(T細胞, B細胞)の発達・成熟の段階において, 先天性異常・欠陥が生じた結果, 免疫系異常を伴う症候群である. International Union of Immunology Society委員会の分類では, (1)T細胞とB細胞の両細胞系に異常を示す複合免疫不全症, (2)抗体系の欠陥を示す免疫不全症, (3)その他のよく解析された免疫不全症, (4)免疫系の調節異常による疾患, (5)貧食細胞の数, 機能, あるいは両方の欠陥を示す疾患, (6)自然免疫系の欠陥を示す疾患, (7)自己炎症性疾患,...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 8; no. 2; pp. 122 - 126
Main Author 福永慶隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 01.04.2012
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ISSN1349-8975

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Summary:原発性免疫不全症候群とは, 自然免疫系(好中球, 単球, NK細胞など), 獲得免疫系(T細胞, B細胞)の発達・成熟の段階において, 先天性異常・欠陥が生じた結果, 免疫系異常を伴う症候群である. International Union of Immunology Society委員会の分類では, (1)T細胞とB細胞の両細胞系に異常を示す複合免疫不全症, (2)抗体系の欠陥を示す免疫不全症, (3)その他のよく解析された免疫不全症, (4)免疫系の調節異常による疾患, (5)貧食細胞の数, 機能, あるいは両方の欠陥を示す疾患, (6)自然免疫系の欠陥を示す疾患, (7)自己炎症性疾患, (8)補体系の異常を示す疾患, に分類されている. その中には, 140以上の遺伝子異常と200以上の異なった病型が知られている. 今回, 私どもが経験した原発性免疫不全症候群のなかで, 補体系異常免疫不全症のC1q欠損症複合免疫不全症のX連鎖型複合型免疫不全症, 抗体系免疫不全症のX連鎖型無ガンマグロブリン血症の3症例を提示して, これらの症例から学んだことを述べてみたい.
ISSN:1349-8975