2型糖尿病ラットの運動ニューロンが減少する

「要旨」: 近年, 我々が報告した1型糖尿病モデルラットにおいて生じる運動ニューロンの減少が, 2型糖尿病モデルラットであるOtsuka Long-Evans Tokushima Fatty Rat(以下, OLETFラット)でも生じるのか調べることを目的にDextran Texas Redを用いてOLETFラットの内側腓腹筋を支配する運動ニューロンを逆行性に標識し, その総数と断面積を計測, 対照群と比較した. その結果, 平均細胞数は対照群に比べて減少し, 平均断面積は対照群に比べて大きいことが明らかになった. 以上の結果から1型糖尿病モデル動物と同様にOLETFラットの運動ニューロンが減...

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Published in運動障害 Vol. 24; no. 1; pp. 25 - 28
Main Authors 村松憲, 玉木徹, 丹羽正利, 升裕二郎, 永野克人, 長谷川達也, 石黒友康, 佐々木誠一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本運動障害研究会 15.07.2014
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ISSN0917-5601

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Summary:「要旨」: 近年, 我々が報告した1型糖尿病モデルラットにおいて生じる運動ニューロンの減少が, 2型糖尿病モデルラットであるOtsuka Long-Evans Tokushima Fatty Rat(以下, OLETFラット)でも生じるのか調べることを目的にDextran Texas Redを用いてOLETFラットの内側腓腹筋を支配する運動ニューロンを逆行性に標識し, その総数と断面積を計測, 対照群と比較した. その結果, 平均細胞数は対照群に比べて減少し, 平均断面積は対照群に比べて大きいことが明らかになった. 以上の結果から1型糖尿病モデル動物と同様にOLETFラットの運動ニューロンが減少することが明らかになった. 断面積の増加の機序は明らかではないが, 細胞の肥大化か小型細胞の消失によって生じたと予想している. 「はじめに」糖尿病の代表的な合併症である, 糖尿病性ニューロパチー(以下DPN)は四肢遠位部の感覚障害や自律神経障害が観察される一方, 運動障害はほとんど観察されないという特徴を有している.
ISSN:0917-5601