外側半月板損傷を呈した症例に対する理学療法の一考察~下肢機能軸上での荷重対応の獲得に向けて

【はじめに】今回, 股関節の形態的特性により, 膝関節外反位での荷重対応となることで外側半月板損傷を呈したと推察された症例を経験した. 歩行時の膝関節外側面へのストレス軽減のため, 下肢機能軸上での荷重対応の獲得を目的に理学療法を実施した結果, 改善が得られたため報告する. 【症例紹介】40歳代女性. 診断名は左膝外側半月板損傷. FTA176°. 円板状半月板で中央部と後節周縁の縦断裂を認め, 部分切除を実施. 【理学療法評価】疼痛は歩行時に術創部周囲にVAS20~30mm. Craig test左35°. 殿筋群の機能低下あり, 立脚初期にて股関節内転・内旋位, 膝関節外反位での荷重を認め...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 4; pp. 799 - 800
Main Authors 吉田研吾, 羽田清貴, 合津卓朗, 徳田一貫, 奥村晃司, 本山達男, 川嶌眞人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2011
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ISSN0037-1033

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Summary:【はじめに】今回, 股関節の形態的特性により, 膝関節外反位での荷重対応となることで外側半月板損傷を呈したと推察された症例を経験した. 歩行時の膝関節外側面へのストレス軽減のため, 下肢機能軸上での荷重対応の獲得を目的に理学療法を実施した結果, 改善が得られたため報告する. 【症例紹介】40歳代女性. 診断名は左膝外側半月板損傷. FTA176°. 円板状半月板で中央部と後節周縁の縦断裂を認め, 部分切除を実施. 【理学療法評価】疼痛は歩行時に術創部周囲にVAS20~30mm. Craig test左35°. 殿筋群の機能低下あり, 立脚初期にて股関節内転・内旋位, 膝関節外反位での荷重を認めた. 【理学療法アプローチ】膝関節機能訓練に加え, 股関節機能訓練や下肢機能軸上での荷重訓練を実施. 【結果および考察】本症例は大腿骨前捻角が大きく, 股関節の適合性を高めるために内旋位を呈していること, 殿筋群の機能低下から股関節内転・内旋方向の制御が行えないことで膝関節外反位での荷重対応となり, 膝関節外側面に圧縮ストレスが生じていると推察した. 膝関節外側面へのストレス軽減のため, 股関節に着目してアプローチを実施した結果, 下肢機能軸上での荷重が可能となり, 歩行時痛は消失した.
ISSN:0037-1033